小売電気事業における固定価格買取制度(FIT)について

ソーラーパネルが並ぶ太陽光発電所

固定価格買取制度とは、太陽光や風力等の再生可能エネルギー源により発電された電力を、政府が設定した価格に基づいて電力会社が購入することを義務付ける制度です。Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)の頭文字を取り、略称をFITとしています。

再生可能エネルギーの普及に伴い、エネルギー供給の安定化及び環境負荷の低減による持続可能な社会の実現に寄与することを目的として創設された制度であり、小売電気事業者であれば、恐らく誰でも知っている制度ですが、一般的には耳馴染みがなく、これから小売電気事業者として登録を目指す方にとっては、情報を収集する上で避けては通れない制度です。

そこで本稿では、新たに小売電気事業への参入を検討される皆さまのために、小売電気事業における固定価格買取制度(以下、FIT)の概要や仕組みについて、詳しく解説していきたいと思います。

FITの仕組み

再生可能エネルギーを利用する発電は、環境負荷の低減という社会的な目的に資するものとして期待されている一方で、化石燃料(石油等)を用いた発電と比較して初期投資と運用コストが高く、買取価格も必然的に高額になることから、なかなか普及が進まないというジレンマを抱えていました。

そこで電力会社が電力を買い取る際の経費を補填するため、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(再エネ賦課金)という名目で、電力利用者から電気料金とは別に追加料金を徴収し、これにより小売電気事業者等は、コストが高い再生可能エネルギーを購入しやすくなる仕組みが採用されています。

固定価格買取制度
出典元:電気事業連合会

再生可能エネルギーに対する買取価格(タリフ)及び買取期間は、太陽光、地熱、風力、水力及びバイオマス発電の別に、コストと適正な利益等を考慮して、調達価格等算定委員会の意見をもとに経済産業大臣が最終決定します。

買取価格は、決定された買取期間中は固定価格として変動せず、定められた価格で電力会社が電力を買い取ることが保証されています。

他方、再エネ賦課金が毎年増加することにより、電力利用者に対する負担が増大しているという事実が問題視されています。

事業計画認定

再生可能エネルギーの導入が着実に進んでいる一方で、新規参入した再生可能エネルギー発電事業者の中には、専門的な知識が不足したまま事業を開始する者も多く、安全性の確保や発電能力の維持のための十分な対策が取られず、防災・環境上の懸念等をめぐり地域住民との関係が悪化する等の問題が顕在化しています。

そこで適切な事業実施の確保等を図るため、FITを利用して売電収益を得るにあたっては、再生可能エネルギー発電事業計画(以下、事業計画)について、経済産業大臣からの認定を受ける必要があるという認定制度が設けられています。

この認定制度では、事業計画が、①再生可能エネルギー電気の利用の促進に資するものであり、②円滑かつ確実に事業が実施されると見込まれ、③安定的かつ効率的な発電が可能であると見込まれる場合に、経済産業大臣が認定を行います。

さらに、この事業計画に基づく事業実施中の保守点検及び維持管理並びに事業終了後の設備撤去及び処分等の適切な実施の遵守についても定めを設け、違反時には改善命令や認定取消しを行うことが可能とされています。

申請から認定までの期間は、通常3ヶ月程度(バイオマスの場合は4ヶ月程度)とされていますが、認定申請の詳細については、経済産業省が公表している事業計画策定ガイドラインを確認するようにしてください。

FIP制度について

再生可能エネルギー発電事業者の投資予見性を確保しながら、市場との連動をより意識させるため、FIT制度に加えて、市場価格に基づいて一定のプレミアムを付加するというFIP制度が導入されています。

FIPとは、Feed in Premium(フィードインプレミアム)の頭文字を取った略称で、発電事業者が再生可能エネルギー源により発電した電力を卸電力取引市場で自由に売電させる制度です。FIT制度とは異なり、売電価格に補助金額(プレミアム)を上乗せして交付することにより再生可能エネルギー導入を促進しています。

プレミアム分についても、電力使用者から徴収する賦課金で賄われますが、FIT制度と比較して、賦課金も少ない金額に抑えることができます。

★上乗せされるプレミアムの額

売電収入の基準価格(FIP価格)と市場価格(参照価格)の差額(=プレミアム)×売電量

また、参照価格を1ヶ月から1年程度ごとに変更することで、事業者の投資予見性を確保しつつ、市場価格を意識した発電行動を促進しています。

小売電気事業者登録申請サポート

弊所では、全国を対象に小売電気事業者登録申請の代行を承(うけたまわ)っています。事前手続きから、ドラフト資料を含む書類作成及び各種機関とのやり取りに至るまで、しっかりとサポートいたします。

下記の報酬は、市場価格を反映したものですが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。小売電気事業者の登録申請でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

小売電気事業者新規登録550,000円〜
小売電気事業者変更登録220,000円
変更の届出33,000円
※税込み

小売電気事業者登録申請の際のご相談はお気軽に♬

全国対応可能です。

平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!

06-6415-9020 または 090-1911-1497

メールでのお問い合わせはこちら。

お問い合わせフォーム

事務所の最新情報をお届けします