APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)の申請代行について

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APEC・ビジネス・トラベル・カード(以下、ABTC)とは、APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするために、制度参加国・地域の政府が自国・地域のビジネス関係者に外務省が発行する特別なカードです。

弊所では、ご本人様に代わり、ABTCの申請を有料で代行していますが、本稿では、ご本人様が申請する場合を仮定して、ABTCの内容や申請方法について詳しく解説しています。

ABTCについて

APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)は、APEC域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするために、制度参加国・地域の政府が自国・地域のビジネス関係者に発行する特別なカードです。

外務省がABTCを発行するに際して、あらかじめ、他の制度参加国・地域の政府の了解(事前審査の承認)を得ておくことで、その国・地域への入国・入域に際して査証が免除されるか若しくは査証手続が免除されます。有効期間は通常5年間ですが、旅券の有効期限が満了するか、又は旅券を更新することによりABTCも失効します。

★APEC

APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋地域の21の国と地域(エコノミー)が参加する国際的な経済協力の枠組みです。

アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向けて、貿易・投資の自由化・円滑化や地域経済統合の推進、経済・技術協力等の活動を実施しており、令和6年2月現在、以下の地域が参加しています。(※)ABCTの加盟はこのうち、青文字の国・地域を除く19の国・地域

【参加エコノミー】

オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港(ホンコン・チャイナ)、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾(チャイニーズ・タイペイ)、タイ、米国、ベトナム

ABTCの特典

現在、日本を含む19の国・地域が参加しており、事前審査において承認を受けた国・地域での短期商用目的に限る入国審査においてABTCを提示することにより、以下の特典を受けることができるようになります。

  • 有効期間内であれば何回でも、ABTC制度参加国・地域において、旅券及びABTCのみ(査証なし)で入国審査を受けることができる。
  • 入国審査の際にABTC制度参加国・地域が主要な国際空港に設置したABTC専用レーン(入国審査ブース)を利用することができるため、円滑な審査を受けることができる。

ただし、中国、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ(台湾)等の一部の地域については、事前承認を受け、ABTC裏面に記載がなければABTC専用レーンを使用することができません。

ABTCの利用条件

APEC域内の貿易及び投資の円滑化に寄与することを目的とした制度であることから、ABTCにより入国・入域した場合に許される活動は、短期間行われる収入又は報酬を伴わない活動であって、商談、業務連絡、市場調査、投資のための契約締結、納品後の報酬を伴わないアフターサービス等に限定されています。

短期商用以外の渡航目的(観光など)での使用は想定されておらず、また、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行う場合には、一般に就労ビザが必要となります。

ABTCの主旨に反した目的でABTCを利用したことが判明した場合には、参加国・地域の国内法令に従い処罰される可能性があるほか、ABTCが失効することになるのでご注意ください。また、入国目的に従った入国許否の判断権限は渡航先の政府機関にあるため、査証(VISA)の取得が必要であるか否か等の個別の質問は、日本にある渡航先国の大使館・総領事館にお尋ねください。

ABTC申請要件

犯罪歴があったり、ABTCをその目的外で利用するおそれのある者を容易に受け入れることはできません。このため、ABTCを申請しようとする者には、以下の要件を満たすことが求められています。

  • 有効な日本国旅券を所持していること
  • 申請書その他の提出書類に虚偽の記載がないこと
  • 犯罪歴がないこと
  • 外務大臣が告示で定める要件のいずれかに該当していること

外務大臣が告示で定める要件に該当する者とは、具体的には、以下のいずれかの者を指します。ただし、職業運動選手、報道特派員、芸能人、音楽家、芸術家又は同様の職業に当たる者については、ABTCは交付されません。

  • APECビジネス諮問委員会(ABAC)の日本委員、日本委員代理又は日本委員を補佐する業務に従事する者
  • 金額の多寡を問わず、貿易・投資実績1がある企業等の経営者又はその企業等に雇用されている方で、貿易等に関する事業2を行うことを目的として参加国・地域への渡航が必要であると認められる者
  • ABAC日本支援協議会の構成団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所(日本商工会議所の会員である商工会議所を含む)、経済同友会及び関西経済連合会)の職員、その団体の会員である機関の経営者又はその機関に雇用されている者で、貿易等に関する事業を行うことを目的として参加国・地域への渡航が必要であると認められる者
  • 貿易等に関する事業を行う機関の経営者又はその機関に雇用された者で、貿易等に関する事業のうち特に災害復興に資すると認められるものを行うことを目的として参加国・地域に渡航し、かつ、今後同様に渡航することが必要であると認められる者
  1. 過去1年間又は直近の決算期(1年分:四半期連結)に行われた、海外の企業等との貿易にかかる取引の実績又は、海外の企業等との合弁、合併、不動産の買収等の投資に関する実績があること(連結会社にあっては、連結会社において過去1年間に行われた貿易にかかる取引の実績又は、海外の企業等との投資に関する取引実績があること) ↩︎
  2. 短期間行われる貿易又は投資に関する交渉、業務連絡、市場調査、契約締結若しくは納品後の役務若しくはこれらに関連する事業のこと ↩︎

申請方法

手続きは以下のフローに則り行われますが、まずは必要な申請書類を準備の上、外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)室ABTC班(以下の宛先)まで郵送することにより申請を行います。申請手数料は13,100円であり、これを収入印紙代により納付します。海外に駐在している方についても、同様の手続きで申請を行います。(在外公館では申請できません。)

ABTC申請の流れ

また、申請後、申請内容に変更(新たに旅券の発給を受けた、会社を退職した又は社名変更した等)が生じた場合は、直ちに外務省APEC室ABTC班までメールで連絡します。

〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
外務省経済局アジア太平洋経済協力(APEC)室
「APEC・ビジネス・トラベル・カード」ABTC班

なお、現在有効なABTCを所持されている者については、現有ABTCの有効期限の6か月前から、新規交付申請手続と同様の手続きにより、新しいABTCの交付申請を行うことができます。この場合、新しいABTCは、現在有効なABTCの返納を確認した後の交付となります。

旅券の残存期間が短い場合は、旅券を新規取得した上で申請する方が、その後の手続がスムーズに進められます。

審査

国内で申請要件に関する審査が行われた後、国(外務省)からABTC制度の全参加国・地域に対し、事前審査が依頼されます。申請から一定期間(約2か月程度)経過後、オンライン上の「ABTCシステム」で各国・地域による審査状況や申請番号を確認することができるようになります。

交付

原則として、各国・地域からの事前審査結果がそろったことを外務省APEC室ABTC班が確認した後、ABTCの発給・交付手続が行われます。

各国・地域政府当局による事前審査が行われるため、現在、申請受理からABTC交付まで平均約6か月程度を要します。申請書類に不備があった場合等には、それ以上かかる場合もあります。

また、ABTCの交付は、原則として、すべて郵送で行われます。海外に駐在している申請者については、返信用封筒に記載された日本国内において代理で受け取る者の住所地に送付されます。日本国外への送付を希望する場合は、国際スピード郵便(EMS)でのみ対応可能とされています。

なお、審査の結果、ABTCが不交付となった場合は、その旨を通知する書面と、受領した収入印紙付き手数料納付書が申請者に返却されますが、提出されたその他の申請書類等は返却されません。申請回数に制限はなく、一旦、不交付になったとしても、改めて申請を行うことができます。

中途発行

ABTCは、全ての参加国・地域から承認がそろってからの発行を原則ですが、一部の国・地域からの承認のみ希望する者については、全参加国・地域からの審査結果を待たずに、希望する国・地域のみが裏面に記載されたABTCの中途発行を受けることができます。

この場合には、申請者自身で、事前審査状況について、希望の国・地域からの承認があったことを確認の上、毎月15日までに、件名を【中途発行依頼】として、氏名、申請番号(又は旅券番号)、連絡先(電話番号、Eメールアドレス)、及び「現状の承認状態でのカード発行を依頼したい」旨の一文を付し、Eメール(abtc@mofa.go.jp)又はFAX(03-5501-8340)で外務省APEC室ABTC班まで連絡を行います。

渡航先の追加

中途発行によりABTCの交付を受けた場合であって、交付後に新たに承認を受けた参加国・地域を渡航先に追加しようとするときは、毎月15日までに、ABTC名義人が作成し、氏名、連絡先(電話番号、Eメールアドレス)、及び渡航先の追加を希望する旨を記載した書面(様式不問)に、旅券(顔写真及び身分事項ページ)の写し、申請者名を記載し収入印紙(6,800円)を貼付した手数料納付書、返信用定形封筒、及び郵便切手(国内は444円分、海外の場合は、EMS送料分を封筒に貼付)を添付し、外務省APEC室ABTC班まで郵送します。

なお、渡航先を追加したABTCの有効期限は、中途発行した際のABTCの有効期限を引き継ぎます。また、追加申請中、新しいカードが発行されるまでの間は現有のカードを使用していただくことは可能です。ただし、現有のカードを利用して海外に渡航している間に新カードが発行されると、現有のカードが失効する可能性があるため、渡航先追加を依頼する際は、直近の予定で海外渡航がないタイミングに申請等十分に配慮するようにしてください。

受領確認書の提出

ABTCを受領した際、カード記載事項に誤りがある場合は、ABTC班宛てにEmailにてご連絡ください。なお、受領確認書の提出は不要です。

申請の取下げ

外務省がABTCを発行するまでは、申請の取下げを行うことができます。申請の取下げにあたっては取下げを希望する申請者本人、又は申請者を雇用する事業主(申請者所属企業)より、申請者の氏名、申請者の旅券番号、取り下げる旨の意思表示、取下げを希望する申請者本人の記名又は所属企業名、記載年月日を記載した取下げ依頼書(Word、PDF等)を作成し、メール又はFAXにて外務省APEC室に提出します。

返納及び通報

ABTCの名義人は、会社を退職、又は、要件に満たない会社等に転職した場合など、申請要件に該当しなくなった場合には、速やかにABTCを外務省APEC室ABTC班まで郵送にて返納する必要があります。

ABTCの名義人を雇用する事業主は、倒産等による事業主の事情変更、ABTC名義人との雇用関係の変更(退職又は転職)、又はABTC制度の目的に適合しない使用をABTCの名義人が行ったことを知ったときは、遅滞なく外務省APEC室ABTC班までメール又はFAXにて通報を行います。

紛失による再交付

ABTCの紛失、焼失又は著しく損傷をした場合には、ABTCの名義人は、遅滞なく、外務省APEC室ABTC班にメール又はFAXにて連絡の上、再交付希望の有無を申し出ます。

再交付については、毎月15日までに、ABTC名義人が作成し、氏名、連絡先(電話番号、Eメールアドレス)、及び紛失等の状況とともに再交付を希望する旨を記載した書面(様式不問)に、紛失届出証明書の写し、旅券(顔写真及び身分事項ページ)の写し、申請者名を記載し収入印紙(8,000円)を貼付した手数料納付書、返信用定形封筒、及び郵便切手(国内は444円分、海外の場合は、EMS送料分を封筒に貼付)を添付し、外務省APEC室ABTC班まで郵送することにより申請を行います。

著しい損傷を理由に再交付を希望する場合は、申請時に現在所持しているABTCを返納します。また、再交付されるABTCの有効期限は、紛失等したABTCの有効期限となります。

海外で紛失等があった場合は、最寄りの在外公館を通じてその旨の連絡をするか、あるいは、帰国後に外務省APEC室ABTC班まで届出を行います。海外においてABTCを紛失等した場合であっても、在外公館で再交付申請をすることはできず、原則として、名義人が外務省APEC室ABTC班に再交付の申請を行う必要があります。

海外に長期間ABTC名義人が滞在する場合などには、申請者を雇用する事業主の職員又は申請者が指定する日本に居住する親族が、日本国内において代理の申請を行うことができます。この場合、企業の職員であれば社員証の写しと名義人からの委任状、国内に居住する親族であれば住民票と委任状を同封して申請を行います。

再交付されたABTCは、原則として、国内の名義人の居住地又は名義人を雇用する事業主の所在地に送付され、渡航先への送付は行われません。ただし、申請者が長期滞在者であり、直接本人への送付を希望する場合は、国際スピード郵便(EMS)のみ対応可能とされているため、申請時には、国際スピード郵便(EMS)用の封筒、送付希望先を記入した送付伝票及び送付に必要な額の郵便切手を封筒に貼付して同封してください。

ABTC申請代行サービス

弊所では、ABTC申請の代行サービスを、全国どこでも、1件につき、税込33,000円(+申請手数料13,100円)で承(うけたまわ)っております。書類作成から関係機関との調整、申請書類の提出に至るまで、まるっとフルサポートいたします。ABTC申請でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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