通行禁止道路の通行許可を取得するには

下町の路地裏

道路は公共設備ですが、道幅や用途によっては車両の通行が禁止されている区域(通行禁止道路)があります。このような道路であっても、所轄の警察署長から許可証を交付された車両は、許可を受けた条件の範囲内で通行することができるようになります。

通行禁止道路

道路標識
道路標識

交通の利便性を図る必要がある一方で、道路にはさまざまな危険が潜んでいます。道路標識や信号機にはこれらを調整する目的があり、これにより交通の安全性と円滑化が担保されることになります。

上に提示した標識は規制の一例ですが、このような標識がある道路においては、車両による自由な通行は禁止され、通行をしようとする際には警察署長から交付される通行許可証を携行することが必要になります。

通行許可の要件

申請さえすればもれなく許可が与えられるような制度ではありません。許可を取得することができるのは、次のようなケースに限られます。

  • 車庫など車両を保管するための場所に出入りするため
  • 歩行が困難な方が車両を利用するなどの事情があるため
  • 荷物の集配をするため
  • 電気、ガス等の修復工事をするため
  • 道路の維持管理をするため
  • 冠婚葬祭、引越し等の社会生活上やむを得ない理由があるため

通行許可申請手続

通行しようとする道路を管轄する警察署(交通規制係)に対して申請書及び必要書類を各2通ずつ提出することで申請を行います。通行しようとする道路が複数の警察署の管轄に及ぶ場合は、そのうちのいずれかの警察署に対して申請を行います。なお、高速道路の場合には、高速道路交通警察隊(交通規制係)が申請先となります。

申請書の書き方

通行許可申請書(大阪府)
①申請年月日

申請日を記載します。

②申請書の提出先

通行禁止の道路を管轄する警察署名を記載します。なお、通行区間が2以上の警察署の管内にまたがる場合は、通行禁止の道路を管轄するいずれかの警察署となります。

③申請者

申請者が法人の場合は、許可の対象となる代表者の氏名、会社等の名称及び所在地を記載します。

④主たる運転者

許可を受けようとする車両を主として運転する者の住所及び氏名を記載します。

⑤車両の種類

普通乗用自動車等、申請車両の種別を記載します。

⑥番号標に表示されている番号

自動車登録番号(ナンバー)を記載します。

⑦運転の期間

実際に通行許可を必要とする最小限度の期間を記載します。

⑧通行禁止道路の区間

実際に通行許可を必要とする場所、区間及び区域を記載します。 また、必要により添付図面で区間を明らかにします。

⑨やむを得ない理由

申請理由を具体的に記載します。(例︰規制区間、区域内に車庫があるため、貨物の集配のため)

⑩通行禁止道路通行許可証

警察署記載欄のため、申請者の記載は不要です。

必要書類

  • 通行許可申請書
  • 通行する道路の経路図
  • 自動車検査証の写し(又は申請時の提示)
  • その他通行禁止道路を通行することがやむを得ないと確認できる書面

書類は各2通ずつ必要になります。また、上記に記載のない書類を求められることもあります。例えば工事現場周辺の道路使用及び占用と併せて通行許可の申請を行う場合には、工事現場の平面図や断面図などを求められるケースが多いです。詳しくは申請先警察署の交通課まで問い合わせるようにしましょう。

申請方法

実際に管轄の警察署に出向いて申請を行います。管轄署によっては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、許可証の交付(申請ではない点にご注意)を郵送で行うことができる場合があります。この場合、申請書等を提出する際に郵便番号やお届け先住所等の必要事項を記載したレターパックプラスを持参します。(レターパックライトではない点にはご注意ください。)

なお、許可開始日までに許可証が到着しないおそれもあるため、郵送による交付は慎重に検討するようにしましょう。

申請から許可証の交付までには、行政庁の休日を除き、おおむね5〜7日間ほどかかります。申請内容によっては許可が下りない場合や、時間、区間又は方法等について条件が付される場合があります。

まとめ

弊所においては、足場を組んで外壁を補修する工事を施工する際に、足場を運搬するための車両を通行させる場合など、道路の使用や占用の許可申請に付随する形で通行許可を取得するケースが多いです。

これらの許可が絡むと手続きは煩わしくなりがちで、実際に多くの図面を添付する手間が増えたり、警察署や公営所、道路管理事務所などを何度も往復するはめになってしまいます。

とにかく許可を取得しなければ始まりませんし、書類に不備があれば補正を命じられ、それだけ予定が遅れてしまうことになります。煩わしい手続きは専門家に任せて、皆さまには本業に注力することを強くお薦めいたします。

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