駐車禁止除外指定車標章交付申請について

駐車禁止の看板

自動車は駐車が禁止されている道路に駐車することができませんが、公安委員会が交付した駐車禁止除外指定車標章(以下、除外標章)を掲示している自動車については、駐車禁止規制の対象から除外されます。

除外標章には、歩行困難者等用除外標章事業所用除外標章の2種類があります。いずれも都道府県管内の警察署窓口において申請することができるほか、オンラインによる申請を受けつけている地域もあります。

本稿ではおもに大阪府における制度を下敷きに記述していますが、各自治体の条例によって取扱いが異なりますので、ご自身で申請を行う際は必ず最寄りの警察署に確認するようにしてください。

制度の概要

申請があった場合、公安委員会はその内容について審査を行い、駐車禁止の規制の対象から除外する車両又は車両を使用する歩行困難者等として認める場合は標章を交付します。

除外標章を掲出した車両は、道路標識等により「駐車を禁止した場所」「時間制限駐車区間での指定された部分・方法」(パーキング・メーター及びパーキング・チケット発給設備の設置場所)について駐車禁止規制から除外されます。

ただし、駐車が無制限に認められるわけではなく、以下の場所・方法については、通常通り駐車禁止の規定が適用されます。

  • 交差点及び交差点の側端から5m以内
  • 横断歩道上、自転車横断帯上
  • 横断歩道、自転車横断帯の前後の側端から5m以内
  • 道路のまがり角から5m以内
  • バス停などの停留所から10m以内
  • 道路の右側余地が3.5m未満
  • 路側帯については次の事項を遵守すること
    • 路側帯の幅が75cm以下の場合は、車道の左側端(線)に沿うこと
    • 路側帯の幅が75cmを超える場合は、その路側帯に入り左側に75cmの余地をあけること
    • 路側帯に車両の全部が入っても、まだその左側に75cmを超える余地がある場合は路側帯の標示(線)に沿うこと
  • 駐停車禁止路側帯・歩行者用路側帯については、各路側帯の中に入らず車道の左側端(線)に沿うこと
  • 左側端に沿わない歩道上駐車
  • 右側駐車
  • 消火栓から5m以内
  • 消防用器具庫出入口から5m以内
  • 駐車場出入口から3m以内
  • 時間制限駐車区間(パーキング・メーター及び パーキング・チケット発給設備の設置場所)の指定された駐車枠(白線内)の外側
除外されない場所・方法

標章を掲出していても、どこにでも駐車できるわけではありませんので、運転される方は、駐車できる場所を必ず確認するようにしてください。

除外標章の掲出方法

除外標章は、駐車するときに限り、外から見やすい箇所(前面ガラスの内側など)へ有効期限が記載された面を掲出します。

除外標章の掲出がない車両は、一般車両と同様に駐車違反となり取締りの対象となります。

留意事項

  • 警察官の指示を受けたときは、これに従うこと
  • 標章を交付された目的以外に使用しないこと
  • 標章を他人に譲渡し、又は貸与しないこと(事業所用標章を除く)

交付対象者本人であっても「車庫代わりの路上駐車」や「長時間駐車」となる「自動車の保管場所の確保等に関する法律」は、交付対象者が正規に使用している場合であっても駐車禁止の規制対象からは除外されません。

なお、公安委員会は、標章の交付を受けた者が標章を交付された目的以外に使用したときは、標章の返納を命ずることができます。

都道府県によって駐車禁止規制の除外対象となる基準が異なっており、一公安委員会が交付する除外標章を掲出していても除外されない都道府県があります。他の都道府県において使用する場合は、事前に駐車する場所の都道府県警察に確認するなど十分に注意してください。

歩行困難者等用除外標章

歩行困難者等用除外標章は、以下に該当する歩行困難者等が現に使用中の車両について交付される標章です。

  • 身体障害者手帳の交付を受けている者で、障害の級別に該当し、かつ、歩行が困難なもの
  • 戦傷病者手帳の交付を受けている者で、障害(乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害及びヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害を除く)を有し、かつ、歩行が困難なもの
  • 療育手帳の交付を受けている者で、重度の障害の判定を受けているもの
  • 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者で障害等級が1級のもの
  • 色素性乾皮症である者(日出時から日没時までの時間に限る)

除外標章は、歩行困難者等が以下の書類を警察署窓口に提出して申請し、申請内容が審査された後に交付されます。

  • 駐車禁止除外指定車標章交付申請書
  • 歩行困難者等に該当することを疎明する書面又はその写し(歩行困難者等)
  • 歩行困難者等の住民票の写し(歩行困難者等の代理人)
  • その他必要な資料
駐車禁止除外指定車標章交付基準
障害の区分障害の級別
視覚障害1級から3級までの各級及び4級の1
聴覚障害2級及び3級
平衡機能障害3級
上肢不自由1級、2級の1及び2級の2
下肢不自由1級から4級までの各級
体幹不自由1級から3級までの各級
乳幼児期以前の非進行性の運動機能障害(上肢機能)1級及び2級(一上肢のみに運動機能障害がある場合を除く)
乳幼児期以前の非進行性の運動機能障害(移動機能)1級から4級までの各級
心臓機能障害1級及び3級
じん臓機能障害1級及び3級
呼吸器機能障害1級及び3級
ぼうこう又は直腸の機能障害1級及び3級
小腸機能障害1級及び3級
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害1級から3級までの各級
肝臓機能障害1級から3級までの各級
区分障害の程度
知的障害者重度(A)
精神障害者1級
色素性乾皮症患者等級指定なし
戦傷病者等級指定なし

事業所用除外標章

事業所用除外標章は、以下の用途の車両に対して交付するものです。

  • 死者の運搬感染症の患者の搬送、発生を予防する活動又はまん延を防止する活動のため使用される車両で当該用務に使用中のもの
  • 道路及び河川の維持管理のため使用中の車両
  • 信号機、道路標識等、パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備の設置若しくは維持管理のため使用中の車両
  • 通信、電話、電気、ガス、水道、工業用水道、下水道又は鉄軌道の動力車の故障若しくは破損により緊急修復を要する工事又は作業のため使用中の車両
  • 緊急取材のため報道機関が使用中の車両
  • 都道府県、市町村又は歯科医師会等が所有している往診歯科診療器材を搭載している車両で往診に使用中のもの及び都道府県知事又は市町村長と歯科医師会長との訪問診療に関する委託又は委嘱に基づき歯科医師会等から指定された歯科医師が往診に使用中の車両急を要する傷病者を往診するため医師が使用中の車両
  • 放置車両確認機関が確認事務のため使用中の車両
  • 児童虐待を受けた児童の一時保護並びに児童虐待が行われているおそれがあると認めるときの児童の住所又は居所への立入り及び調査又は質問のため使用中の車両で緊急やむを得ない理由があるもの
  • 狂犬病予防法の規定により犬の捕獲を行うため使用中の車両
  • 郵便物の集配又は電報の配達に使用される車両で当該用務に使用中の車両道路運送車両法に基づき、患者輸送車又は車いす移動車として自動車登録ファイルへの登録又は軽自動車検査ファイルへの記録がなされた車両で、現に歩行困難な者の輸送に使用中のもの
  • 裁判所の執行官が裁判の執行、裁判所の発する文書の送達その他の事務のため使用中の車両

除外標章は、事業所が以下の書類を警察署窓口に提出して申請し、申請内容が審査された後に交付されます。

  • 駐車禁止除外指定車標章交付申請書 (事業所用)
  • 自動車保管場所の見取図・誓約書
  • 自動車検査証の写し
  • 除外理由を疎明する書類 (福祉輸送事業の許可書などで営業区域の記載があるもの)
  •  その他必要な資料

駐車許可について

駐車許可の対象については、用務を限定しません。駐車許可申請に係る具体的日時・場所等一定の要件について審査の上、許可が行われます。ただし、緊急を要し、申請書を提出するいとまがない場合は、電話により申請することができます。詳しくは、駐車場所を管轄する警察署の交通課にお問い合わせください。

除外標章交付申請サポート

弊所では、阪神間(尼崎、西宮、芦屋、神戸、伊丹、宝塚、大阪市)を中心に、駐車禁止除外指定車標章交付申請の代行を1件につき16,500円(税込み)で承っております。書類の作成から警察署との調整及び申請の代行に至るまでしっかりとフルサポートいたします。駐車禁止除外指定車標章交付申請でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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