塩の製造と販売に関する手続きとは│塩製造業、塩特定販売業及び塩卸売業の登録について
塩は単なる調味料という枠を超えた生活必需品のひとつです。塩事業法では、塩を製造する事業や特殊な塩を販売する事業を対象に、登録制や届出制を採用して規制を設けています。
ここでは塩事業に携わるにあたり必要とされるこれらの手続きについてざっくりと紹介していきたいと思います。
目 次
塩製造業登録
塩製造業とは、塩の製造、再製及び加工を行う事業をいいます。塩製造業を行おうとする者は、特殊用塩又は特殊製法塩のみを製造しようとする場合を除き、財務大臣の登録を受ける必要があります。
★再製
塩の再製とは、塩の利用価値を高めるため溶解以外の方法により塩の形状を変え、又は塩の不純物を除去し、若しくは塩を変質させることをいいます。
★加工
塩の加工とは、塩の利用価値を高めるため塩を溶解しその溶解した物に操作を加えて、再び塩を製造することをいいます。
★塩とは
塩とは、塩化ナトリウムの含有量が100分の40以上の固形物をいいます。ただし、チリ硝石、カイニット、シルビニット、ポリハリット、キイゼリット、カルナリット、クルギット、タクヒドリット、ピンノイト、グラウベリット、アストラカニット、シェーニット、ボラチット及びアンヒドリットは除きます。
★特殊用塩
- 医薬品、医薬部外品又は化粧品に該当する塩
- 試薬塩化ナトリウム
- 細菌等の試験研究用の培地として使用される塩その他の専ら学術研究又は教育の用に供される塩
- 銅のメッキ処理過程等において専ら触媒の用に供される塩
- 亜鉛、鉄その他の金属成分を含有する塩で、直方体又は球形等の塊状に成形されたもの
- 塩化ナトリウムの含有量が100分の60以下の塩で、塩化ナトリウムとそれ以外の成分が容易に分離し難いもの
- 販売先を限定して試験的に販売される塩であって1年間の販売数量が100トン以内のもの
★特殊製法塩
- 塩以外の物を製造する過程又は廃棄物を処理する過程において副産物として得られた塩(食用に供されるものを除く)
- 平釜式、蒸気利用式、温泉熱利用式その他の真空式以外の方法により製造(加工を除く)した塩
- 他の者から譲り受けた塩又は引渡しを受けた塩を原料として製造した塩であって、香辛料、にがり、添加物又はごま、こんぶその他の食品が混和されたもの
- 他の者から譲り受けた塩又は引渡しを受けた塩を原料として製造した塩であって、乾燥剤、固結防止剤又は還元剤が混和されたもの(食用に供されるものを除く)
登録を受けようとする者は、以下の書類を主たる事務所の所在地を管轄する財務局長(主たる事務所の所在地が福岡財務支局の管轄区域内にある場合にあっては福岡財務支局長)に提出して申請を行います。
- 登録申請書
- 欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面
- 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の住民票の抄本又はこれに代わる書面(個人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の身分証明書
★申請書の記載事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 代表者の氏名及び住所(法人)
- 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地
- 製造場ごとの塩の製造方法、塩の製造能力及び設備の構造
- 事業開始の予定年月日
- 現に営んでいる他の事業の種類
なお、財務大臣は塩製造業者の業務の運営に関し良質な塩の安定的な供給を確保するために改善が必要であると認めるときは、塩製造業者に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができます。
欠格事由
登録を受けようとする者が以下のいずれかに該当するときは、登録を受けることはできません。なお、欠格事由は後述する塩特定販売業、塩御売業にも共通して適用される規定となっています。
- 塩事業法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
- 登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 法人であって、その代表者のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
- 未成年者であって、その法定代理人が上記のいずれかに該当するもの
塩製造業の承継
塩製造業者について相続、合併又は分割(事業の全部を承継させるものに限る)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により事業の全部を承継した法人は、欠格事由に該当する場合を除き、その塩製造業者の地位を承継します。ただし、欠格事由に該当する相続人であっても、相続後60日間に限り、引き続き塩の製造を業として行うことができます。
この規定により塩製造業者の地位を承継した者又は塩の製造を業として行う者は、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
変更等の届出
塩製造業者は、次のいずれかに該当するときは、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
遅滞なく届け出る事項 | 商号、名称又は氏名及び住所の変更 |
代表者の氏名及び住所の変更 | |
現に営んでいる他の事業の種類の変更 | |
法定代理人が新たに選任されたとき | |
法定代理人の氏名、商号、名称又は住所に変更があったとき | |
法定代理人が法人である場合において、その代表者の氏名又は住所に変更があったとき | |
事業を廃止したとき | |
あらかじめ届け出る事項 | 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地の変更 |
製造場ごとの塩の製造方法、塩の製造能力及び設備の構造の変更 | |
事業開始の予定年月日の変更 |
備付帳簿
塩製造業者は、帳簿を備え、その業務に以下の事項を塩の製造・販売・使用のつど記載し、これを記載の日から3年間保存する必要があります。
- 製造場別の塩の種類別の製造数量
- 塩の種類別販売先別の販売数量
- 塩の種類別用途別の使用数量(製造した塩を自ら使用した場合)
特殊用塩等製造業の届出
特殊用塩又は特殊製法塩のみの製造を業として行おうとする者は、財務大臣に対して届出を行う必要があります。届出を行う者は、以下の書類を主たる事務所の所在地を管轄する財務局長(当該主たる事務所の所在地が福岡財務支局の管轄区域内にある場合にあっては福岡財務支局長)に提出します。
- 届出書
- 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人)
- 届出者の住民票の抄本又はこれに代わる書面(個人)
★届出事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 代表者の氏名及び住所(法人)
- 主たる事務所の所在地及び製造場の所在地
- 特殊用塩の名称及び用途又は性状(特殊用塩の製造を行おうとする者である場合)
- 特殊製法塩の名称及び製造の方法(特殊製法塩の製造を行おうとする者である場合)
- 特殊用塩又は特殊製法塩の製造能力
- 製造しようとする特殊用塩又は特殊製法塩の主な原材料(塩である場合にはその種類)
特殊用塩等製造業者は、次のいずれかに該当するときは、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
遅滞なく届け出る事項 | 商号、名称又は氏名及び住所の変更 |
代表者の氏名及び住所の変更 | |
製造しようとする特殊用塩又は特殊製法塩の主な原材料の変更(塩である場合にはその種類) | |
事業を廃止したとき | |
あらかじめ届け出る事項 | 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地の変更 |
特殊用塩の名称及び用途又は性状の変更(特殊用塩の製造を行おうとする者である場合) | |
特殊製法塩の名称及び製造の方法の変更(特殊製法塩の製造を行おうとする者である場合) | |
特殊用塩又は特殊製法塩の製造能力の変更 |
塩特定販売業登録
塩特定販売業とは、自ら又は他の者に委託して輸入をした塩を販売し、又は自ら使用する事業をいいます。既製品の塩を通常の小売形式で販売するためには何ら手続きは不要ですが、塩の特定販売を業として行おうとする者(特殊用塩のみに係る塩の特定販売を業として行おうとする者を除く)は、財務大臣の登録を受ける必要があります。
登録を受けようとする者は、以下の書類を主たる事務所の所在地を管轄する税関長に提出して申請を行います。
- 登録申請書
- 欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面
- 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の住民票の抄本又はこれに代わる書面(個人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の身分証明書
★申請書の記載事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 代表者の氏名及び住所(法人)
- 主たる事務所の所在地及び貯蔵所の所在地
- 事業開始の予定年月日
- 現に営んでいる他の事業の種類
塩特定販売業の承継
塩特定販売業者について相続、合併又は分割(事業の全部を承継させるものに限る)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により事業の全部を承継した法人は、欠格事由に該当する場合を除き、その塩特定販売業者の地位を承継します。ただし、欠格事由に該当する相続人であっても、相続後60日間に限り、引き続き塩の塩特定販売を業として行うことができます。
この規定により塩特定販売業者の地位を承継した者又は塩の特定販売を業として行う者は、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
変更等の届出
塩特定販売業者は、次のいずれかに該当するときは、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
遅滞なく届け出る事項 | 商号、名称又は氏名及び住所の変更 |
代表者の氏名及び住所の変更 | |
現に営んでいる他の事業の種類の変更 | |
法定代理人が新たに選任されたとき | |
法定代理人の氏名、商号、名称又は住所に変更があったとき | |
法定代理人が法人である場合において、その代表者の氏名又は住所に変更があったとき | |
事業を廃止したとき | |
あらかじめ届け出る事項 | 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地の変更 |
製造場ごとの塩の製造方法、塩の製造能力及び設備の構造の変更 | |
事業開始の予定年月日の変更 |
備付帳簿
塩特定販売業者は、帳簿を備え、その業務に以下の事項を塩の製造・販売・使用のつど記載し、これを記載の日から3年間保存する必要があります。
- 製造場別の塩の種類別の製造数量
- 塩の種類別販売先別の販売数量
- 塩の種類別用途別の使用数量(受け入れた塩を自ら使用した場合)
特殊用塩特定販売業の届出
特殊用塩のみに係る塩の特定販売を業として行おうとする者は、財務大臣の登録を受ける必要があります。届出を行う者は、以下の書類を主たる事務所の所在地を管轄する税関長に提出します。
- 届出書
- 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人)
- 届出者の住民票の抄本又はこれに代わる書面(個人)
★届出事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 代表者の氏名及び住所(法人)
- 主たる事務所の所在地
- 塩の特定販売を行おうとする特殊用塩の名称及び用途又は性状
- 塩の特定販売を行おうとする特殊用塩の原産地
変更等の届出
特殊用塩特定販売業者は、次のいずれかに該当するときは、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
遅滞なく届け出る事項 | 商号、名称又は氏名及び住所の変更 |
代表者の氏名及び住所の変更 | |
塩の特定販売を行おうとする特殊用塩の原産地の変更 | |
事業を廃止したとき | |
あらかじめ届け出る事項 | 主たる事務所の所在地の変更 |
塩の特定販売を行おうとする特殊用塩の名称及び用途又は性状の変更 |
塩卸売業登録
塩卸売業とは、塩製造業者又は塩特定販売業者から買い受けた塩(塩製造業者に委託して製造した塩を含む)を、その性質及び形状を変更しないで、他の事業者又は消費者に販売する事業をいいます。
塩の卸売を業として行おうとする者は、特殊用塩又は特殊製法塩のみに係る塩の卸売を業として行おうとする者を除き、財務大臣の登録を受ける必要があります。
登録を受けようとする者は、以下の書類を主たる事務所の所在地を管轄する財務局長(当該主たる事務所の所在地が福岡財務支局の管轄区域内にある場合にあっては福岡財務支局長)に提出して申請を行います。
★申請書記載事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 代表者の氏名及び住所(法人)
- 主たる事務所の所在地並びに営業所及び貯蔵所の所在地
- 事業開始の予定年月日
- 現に営んでいる他の事業
- 登録申請書
- 欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面
- 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の住民票の抄本又はこれに代わる書面(個人)
- 登録申請者(又は法定代理人)の身分証明書
塩卸売業の承継
塩卸売業者について相続、合併又は分割(事業の全部を承継させるものに限る)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により事業の全部を承継した法人は、欠格事由に該当する場合を除き、その塩卸売業者の地位を承継します。ただし、欠格事由に該当する相続人であっても、相続後60日間に限り、引き続き塩の卸売を業として行うことができます。
この規定により塩卸売業者の地位を承継した者又は塩の卸売を業として行う者は、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
変更等の届出
塩卸売業者は、次のいずれかに該当するときは、その旨を財務大臣に届け出るものとされています。
遅滞なく届け出る事項 | 商号、名称又は氏名及び住所の変更 |
代表者の氏名及び住所の変更 | |
現に営んでいる他の事業の種類の変更 | |
法定代理人が新たに選任されたとき | |
法定代理人の氏名、商号、名称又は住所に変更があったとき | |
法定代理人が法人である場合において、その代表者の氏名又は住所に変更があったとき | |
事業を廃止したとき | |
あらかじめ届け出る事項 | 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地の変更 |
製造場ごとの塩の製造方法、塩の製造能力及び設備の構造の変更 | |
事業開始の予定年月日の変更 |
備付帳簿
塩卸売業者は、帳簿を備え、その業務に以下の事項を塩の仕入れ又は販売のつど記載し、これを記載の日から3年間保存する必要があります。
- 仕入先別の塩の種類別の仕入数量
- 塩の種類別販売先別の販売数量
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