監理支援機関と登録支援機関の違い│育成就労と特定技能の支援機関を比較して行政書士が解説

外国人材と支援機関の担当者の打ち合わせ

外国人を雇用する企業を支える機関には、令和9年4月1日に始まる育成就労制度の「監理支援機関」と、特定技能制度の「登録支援機関」があります。

名前が似ているうえ、どちらも外国人の支援に関わるため混同されやすいのですが、関わる制度も、なれる法人も、受けるべき手続きも大きく異なります。

育成就労制度は、外国人を特定技能1号の水準の人材に育てることを目的とした制度で、育成就労を終えた外国人は特定技能へと移っていくことが想定されています。

受入れ企業から見れば、最初は監理支援機関、その後は登録支援機関の世話になる場面が出てくるため、本記事では、両者の役割、なれる法人、手続き、体制の要件、費用の負担、許可や登録を受けた後の義務の違いを比べながら、行政書士が解説します。

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違いの一覧

監理支援機関と登録支援機関の違いを一覧にすると、以下のとおりです。それぞれの項目は、この後のセクションで詳しく解説します。

項目監理支援機関登録支援機関
関わる制度育成就労特定技能(1号)
手続き主務大臣(法務大臣と厚生労働大臣)の許可出入国在留管理庁長官の登録
なれる者営利を目的としない法人に限る法人のほか、個人事業主も登録できる
申請先外国人技能実習機構本店又は主たる事務所を管轄する地方出入国在留管理局
申請の費用事業所が1か所で合計106,600円(申請手数料、調査手数料、登録免許税)新規28,400円、更新11,100円
有効期間初回3年、更新後3年又は5年5年
外部監査人置く必要がある求められていない
受入れ企業との関係受入れ企業を監理し、定期的に監査する受入れ企業から支援の委託を受ける

役割の違い

監理支援機関と登録支援機関は、どちらも外国人の支援を担いますが、受入れ企業との関係が根本から異なります。監理支援機関は受入れ企業を監理する立場にあるのに対し、登録支援機関は受入れ企業から支援の業務を任される立場にあります。

監理支援機関の役割

監理支援機関は、外国人と受入れ企業の国際的なマッチング、受入れ企業への監理と指導、育成就労外国人の支援と保護を担います。受入れ企業に対しては3か月に1回以上の監査を行って外から点検し、外国人が転籍を希望した場合には、関係する機関との連絡や調整も行います。

登録支援機関の役割

登録支援機関は、特定技能1号の外国人を雇う企業から委託を受けて、企業が作る支援計画に基づく支援の全部を行う機関です。支援には、入国前の事前ガイダンス、空港や港への送迎、住居の確保、預貯金の口座や携帯電話の契約の手続き、日本語の習得の支援、日本人との交流の促進、外国人の責めに帰すべき事由によらずに雇用契約が解除された場合の転職の支援が含まれます。

一定の要件を満たす企業は、登録支援機関に委託せず、自ら支援することもできます。登録支援機関は、委託を受けた企業に代わって支援を担う立場にあり、監理支援機関のように企業を監査する役割は負いません。

なれる法人と手続きの違い

監理支援機関と登録支援機関では、なれる法人の範囲も、許可や登録の手続きも大きく異なります。監理支援機関のほうが、なれる法人が限られ、手続きにかかる費用と期間も大きくなっています。

なれる法人

監理支援機関は、営利を目的としない法人である必要があり、原則として、商工会議所、商工会、事業協同組合といった中小企業団体、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人、公益財団法人に限られます。株式会社のような営利法人は、監理支援機関になることができません。

一方、登録支援機関は、要件を満たせば、株式会社のような営利法人だけでなく、個人事業主も登録を受けることができます。特定技能の外国人を自ら雇い、支援の経験を積んだ企業が、登録を受けて他の企業の外国人を支援することも認められていますが、密接な関係にある企業の外国人は支援できません。

許可と登録の手続き

監理支援機関の許可の申請は、外国人技能実習機構を通じて行い、事業所が1か所の場合で、申請手数料10,600円、調査手数料81,000円、登録免許税15,000円の合計106,600円がかかります。申請から事業の開始までに6か月以上の期間を見込む必要があり、有効期間は初回3年、更新後は3年又は5年です。

登録支援機関の登録の申請は、本店又は主たる事務所を管轄する地方出入国在留管理局に行い、手数料は新規の申請で28,400円、更新の申請で11,100円です。審査にはおおむね2か月かかり、有効期間は5年で、更新の申請は、有効期限の月の6か月前の初日から4か月前の月末までに行う必要があります。

体制の要件の違い

監理支援機関と登録支援機関は、いずれも受入れ企業の数や外国人の数に応じた人員の配置を求められます。ただし、人員の基準の厳しさや、外部の目による点検の仕組みには違いがあります。

人員の基準

監理支援機関は、監理支援の実務に従事する常勤の役員や職員が、2人以上であり、かつ、受入れ企業の数を8で割った数と、育成就労外国人の数を40で割った数の両方を超える必要があります。この基準は、申請の時点で満たしていることが求められます。

登録支援機関は、令和9年4月1日から要件が厳しくなり、支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員又は職員から支援責任者と支援担当者を1名以上選任する必要があります。支援担当者の数は、委託を受けている企業の数を10で割った数と、支援している外国人の数を50で割った数の両方を上回る必要があり、支援責任者には養成講習の受講も義務付けられます。

外部監査人と中立性

監理支援機関は、自らから独立した外部監査人を置く必要があり、外部監査人は、監理支援機関が行う監査を3か月に1回以上確かめ、年1回以上は監査に同行します。外部監査人には、受入れ企業と顧問契約を結んでいる士業はなれないとされており、外部の目による点検の仕組みが制度に組み込まれています。

登録支援機関には、外部監査人を置くことは求められていません。その代わり、支援責任者と支援担当者は、支援する外国人と異なる部署に属し、外国人への指揮命令の権限を持たない人である必要があり、支援の中立性を保つための要件が設けられています。

費用の負担

登録支援機関が行う支援の費用は、受入れ企業が負担することとされており、特定技能の外国人から支援の費用を受け取ることはできません。登録支援機関が企業から受け取る委託料に法令上の上限はありませんが、委託の契約では、支援の内容と費用の額、その内訳を示す必要があります。

監理支援機関も、受入れ企業から監理支援費を受け取って業務を行います。外国の送出機関との契約で、監理支援費以外の手数料や違約金を受け取る定めがある場合は、不許可や許可の取消しの対象となるとされています。

許可や登録を受けた後の義務

監理支援機関は、受入れ企業への監査を3か月に1回以上行い、監査の後2か月以内に監査報告書を提出する必要があり、毎年1回の事業報告書の提出も求められます。監査と報告を通じて、受入れ企業を継続的に点検し続けることが、監理支援機関の中心的な義務となります。

登録支援機関は、毎年4月1日から翌年3月31日までを対象期間として、支援の実施状況を、翌年5月31日までに届け出る必要があります。支援の対象となる外国人を、登録支援機関の責めに帰すべき事由によって過去1年以内に行方不明にした場合は、登録を拒否されることもあります。

Q. 株式会社は監理支援機関と登録支援機関のどちらになれますか?
A. 株式会社は営利法人のため監理支援機関にはなれませんが、要件を満たせば登録支援機関として登録を受けることができます。


Q. 特定技能の外国人を雇う場合、登録支援機関への委託は必須ですか?
A. 一定の要件を満たす企業は、委託せずに自ら支援することもできます。支援の全部を委託する場合の委託先が登録支援機関です。


Q. 監理支援機関と登録支援機関で、手続きの費用はどのくらい違いますか?
A. 監理支援機関は事業所が1か所で合計106,600円、登録支援機関は新規の申請で28,400円です。監理支援機関は事業所が増えると費用が加算されます。


Q. 外部監査人はどちらにも必要ですか?
A. 外部監査人を置く必要があるのは監理支援機関だけで、登録支援機関には求められていません。


Q. 有効期間はどちらが長いですか?
A. 登録支援機関の登録は5年、監理支援機関の許可は初回3年、更新後は3年又は5年です。

監理支援機関・登録支援機関の手続きサポート

監理支援機関は、育成就労制度のもとで受入れ企業を監理し、外国人を支援する営利を目的としない法人で、主務大臣の許可を受け、外部監査人を置く必要があります。登録支援機関は、特定技能の外国人を雇う企業から支援の委託を受ける機関で、法人だけでなく個人事業主も出入国在留管理庁長官の登録を受けることができ、令和9年4月1日からは支援責任者と支援担当者の配置の要件が厳しくなります。

弊所では、監理支援機関の許可申請と登録支援機関の登録申請を代行しています。どちらの制度で外国人を支えるのが事業に合っているかの整理から、要件を満たしているかの確認、事業計画書や規程の作成、申請書と添付書類の作成、許可や登録を受けた後の届出に至るまで、しっかりまるっとサポートいたします。

さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。監理支援機関や登録支援機関の手続きでお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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