監理支援機関の許可申請│育成就労制度の許可要件・外部監査人・手数料と施行日前申請を行政書士が解説

打ち合わせ

令和9年4月1日に、技能実習制度に代わって育成就労制度が始まります。育成就労制度のもとで、外国人と受入れ企業のマッチングや受入れ企業への指導、外国人の支援と保護を担うのが「監理支援機関」で、いまの監理団体が育成就労の業務を行うには、監理団体の許可とは別に、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。

監理支援機関の許可は、外部監査人の設置が義務付けられ、常勤の役職員の数にも受入れ企業の数や外国人の数に応じた基準が設けられるなど、監理団体の許可よりも体制の要件が厳しくなっています。

本記事では、出入国在留管理庁と外国人技能実習機構が公表している資料に沿って、監理支援機関の役割、既存の監理団体の扱い、許可の要件、申請の手続きと手数料、施行日前申請、許可を受けた後の義務までを行政書士が解説します。

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監理支援機関とは

監理支援機関は、主務大臣(法務大臣と厚生労働大臣)の許可を受けて、育成就労制度のもとで監理支援事業を行う法人です。外国人と受入れ企業の国際的なマッチング、受入れ企業への監理と指導、育成就労外国人の支援と保護を担い、外国人が転籍を希望した場合には、関係する機関との連絡や調整も行います。

監理支援機関の許可を受ければ、育成就労の雇用関係の成立をあっせんすることについては、職業安定法の職業紹介の許可を別に受ける必要はありません。また、優良な監理支援機関の基準は運用要領で示されることになっており、優良と認められた監理支援機関には、受入れの人数の枠が広がるといった扱いが設けられています。

既存の監理団体の扱い

いまの監理団体が育成就労の業務を行うには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があり、監理団体の許可がそのまま引き継がれるわけではありません。監理支援機関の許可を受けた場合は、技能実習の一般監理事業の許可を受けたものとみなされるため、施行後も技能実習生の監理を続けるとしても、監理団体の許可の有効期間を更新する必要はなくなります。

一方、監理支援機関の許可を受けずに、施行後も技能実習生の監理を続ける場合は、監理団体の許可の更新が必要です。また、監理団体の許可を受けている法人は、監理支援機関の許可を受ける前でも、育成就労の求人や求職の受付と雇用関係の成立のあっせんを行うことができますが、監理団体の許可を受けていない法人は、監理支援機関の許可を受けるまで行うことができません。

許可の要件

監理支援機関の許可を受けるには、法人の形態や受入れ企業の数、常勤の役職員の数、財産的基礎、外部監査人、相談の体制、事業所、送出機関との関係について定められた基準をすべて満たし、欠格事由に当たらないことが求められます。介護、自動車整備、物流倉庫、漁業の分野には、これらに加えて分野ごとの上乗せの基準も設けられています。

法人の形態

監理支援機関は、営利を目的としない法人である必要があり、原則として、商工会議所、商工会、中小企業団体(事業協同組合など)、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人、公益財団法人のいずれかに限られます。株式会社のような営利法人は、監理支援機関になることができません。

これら以外の非営利法人が監理支援機関となるには、監理支援事業を行う特別な理由があることと、重要な事項の決定や業務の監査を行う適切な機関があることを立証する必要があります。特別な理由としては、過去3年以内に、技能実習の監理団体や認定NPO法人として、技能の移転や人材育成の業務を、年間を通じて複数の事業年度にわたって行った実績が求められます。

監理支援を行う受入れ企業の数

監理支援を行う受入れ企業(育成就労実施者)は、原則として2者以上である必要があり、施行日前申請では、申請の時点で2者以上いることが求められています。商工会議所や商工会、中小企業団体、農業協同組合、漁業協同組合が申請する場合は、受入れ企業が申請の時点でその会員や組合員である必要があります。

常勤の役職員の数

監理支援の実務に従事する常勤の役員や職員の数は、以下の三つの基準をすべて満たす必要があり、この基準は申請の時点で満たしていることが求められます。たとえば、受入れ企業が20者、育成就労外国人が100人であれば、20÷8=2.5、100÷40=2.5となり、いずれも2.5を超える必要があるため、常勤の役職員は3人以上必要です。

  • 2人以上であること
  • 監理支援を行う受入れ企業の数を8で割った数を超えること
  • 監理支援を行う育成就労外国人の数を40で割った数を超えること

ここでいう常勤とは、正社員と同じ程度の時間、継続して勤務する人をいいます。週5日以上かつ年217日以上の勤務で週30時間以上の人や、雇用保険の被保険者で週30時間以上勤務する人は、常勤として扱われます。

財産的基礎

財産的基礎については、一定の額以上の資産を求める基準はなく、直近の事業年度の末日の時点で債務超過でないかどうかで判断されます。直近の決算で債務超過となっている場合でも、直近の月次の試算表などで債務超過が解消されていることを確実に確認できれば、基準を満たすとされています。

外部監査人

監理支援機関は、自らから独立した外部監査人を置く必要があります。外部監査人は、弁護士、社会保険労務士、行政書士その他の育成就労に関する知見を持つ人で、出入国や労働の法令について高度な知識と経験があることや、申請の時点から過去3年以内に養成講習を修了していることが求められ、士業の資格を持っているだけでは足りません。

外部監査人は、監理支援を行う受入れ企業と密接な関係があってはならず、受入れ企業と顧問契約を結んでいる士業は外部監査人になれません。一方、監理支援機関自体と顧問契約を結んでいる士業は外部監査人になることができ、要件を満たせば複数の監理支援機関の外部監査人を兼ねることもできます。

外部監査人は、監理支援機関が行う監査を3か月に1回以上、事業所ごとに確かめるとともに、各事業所について年1回以上、監査に同行して確かめる必要があります。また、監理支援機関の元役員が外部監査人となるには、退任から5年を超えている必要があります。

相談の体制と事業所

監理支援機関には、育成就労外国人が母国語で相談できる体制を整え、夜間や休日にも連絡がとれる手段を確保することが求められます。緊急時には、事業所から受入れ企業の実施場所まで、通常の業務時間内に駆け付けられる位置関係であることも必要です。

事業所は、独立性を保ち、相談に来た人のプライバシーに配慮したものとし、広さはおおむね20㎡以上とされています。また、受入れ企業や送出機関から、事業所の提供といった便宜を受けていないことも求められます。

送出機関との関係

監理支援機関の役員と送出機関の役員が同じ人であってはならず、外国の送出機関から求職の取次ぎを受ける場合は、二国間取決めに基づく認定送出機関の名簿に載っている機関に限られます。送出機関とは、育成就労用の契約を新たに結ぶ必要があり、技能実習で結んだ取次ぎの契約では足りません。

送出機関との契約書には、送出管理費を送金するために双方の金融機関の口座の情報を記載する必要があります。また、監理支援費以外の手数料や違約金を受け取る定めがある場合は、不許可や許可の取消しの対象となります。

欠格事由

監理支援機関の許可には、法律で欠格事由が定められており、申請する法人や役員が一つでも当てはまれば、他の要件をすべて満たしていても許可を受けることはできません。欠格事由は、法人そのものに関するものと、役員に関するものに分かれ、法人に関するものは以下のとおりです。

  • 育成就労法や、出入国、労働に関する一定の法令に違反して罰金刑に処され、刑の執行を終えるなどしてから5年を経過していない場合
  • 社会保険や労働保険の事業主としての義務に違反して罰金刑に処され、刑の執行を終えるなどしてから5年を経過していない場合
  • 監理支援機関の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない場合
  • 許可の取消しの手続が始まってから処分が出るまでの間に、相当の理由なく事業の廃止を届け出て、届出の日から5年を経過していない場合
  • 出入国や労働に関する法令について、不正又は著しく不当な行為をした日から5年を経過していない場合
  • 暴力団員等が事業活動を支配している場合や、暴力団員等を業務に従事させたり補助者として使ったりするおそれがある場合

役員については、拘禁刑以上の刑や、暴力団に関係する法律、刑法の一定の罪による罰金刑に処され、刑の執行を終えるなどしてから5年を経過していない場合が欠格事由となり、法人について定められた罰金刑の欠格事由も、役員に当てはまれば同じく問われます。あわせて、心身の故障によって職務を適正に行えない人、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人、暴力団員等、法定代理人が欠格事由に当たる未成年者も、役員に含まれていれば許可を受けることはできません。

また、許可を取り消された監理支援機関で、取消しの原因となった出来事が起きた当時に役員だった人は、取消しの日から5年を経過するまで、他の法人の役員となっても欠格事由となります。取消しの手続が始まる前60日以内に事業の廃止を届け出た法人の役員だった人も、同じく届出の日から5年を経過するまで欠格事由となります。

ここでいう役員には、登記上の役員だけでなく、相談役や顧問のように、役員と同等以上の支配力を持つ人も含まれます。なお、技能実習法に基づく罰金刑や監理団体の許可の取消しは、育成就労法に基づくものとみなされるため、技能実習の監理団体として過去に処分を受けた法人や、その役員だった人は特に注意が必要です。

監理支援責任者

監理支援機関は、監理支援の業務を統括する監理支援責任者を置く必要があります。監理支援責任者は、常勤であるといった要件を満たせば、組合員や会員の企業の役員が務めることもできますが、過去5年以内に役員や職員として在籍していた受入れ企業の監理支援には関わることができません。

育成就労計画作成指導者

受入れ企業が作成する育成就労計画の作成を指導する育成就労計画作成指導者には、取り扱う職種について5年以上の実務経験があるか、申請の時点からさかのぼって3年間、技能実習計画の作成を指導した経験があることが求められます。常勤か非常勤かは問われず、監理支援責任者と兼ねることもできますが、受入れ企業の役員や職員は、その企業の計画の作成を指導することはできません。

申請の手続き

監理支援機関の許可の申請は、外国人技能実習機構を通じて行い、機構が事実関係を調べたうえで、主務大臣が許可するかどうかを決めます。申請の前には、定款に育成就労の事業を記載しておく必要があり、定款の変更に所管庁の認可が必要な法人は、認可を受けてから申請することになります。

申請先と申請の方法

施行日前申請は、外国人技能実習機構の本部審査課分室に、書留などの方法で郵送して行います。第三者に申請や許可証の受領を任せる場合は、委任状を添えて提出します。

申請書類

申請書類は、監理支援機関許可申請書(別記様式第15号)と、事業所ごとの監理支援事業計画書(別記様式第16号)を中心に、以下の書類を添付します。外国人技能実習機構は、申請書と事業計画書の記入方法を説明する動画も公開しています。

  • 監理支援機関許可申請書(別記様式第15号)
  • 監理支援事業計画書(別記様式第16号)
  • 登記事項証明書と定款又は寄附行為
  • 直近2事業年度の決算書
  • 預金通帳の写し(団体名、口座番号、金融機関名、支店名、預金の種別が分かる頁と、直近3か月の取引の頁)
  • 個人情報適正管理規程と業務運営規程
  • 役員、監理支援責任者、外部監査人の住民票、履歴書、就任承諾書と誓約書
  • 育成就労計画作成指導者の履歴書
  • 外国の送出機関から取次ぎを受ける場合は、送出機関の概要書、契約書、費用の算出の基準を示す書類

手数料と登録免許税

申請の際は、国に納める申請手数料と、外国人技能実習機構に納める調査手数料、許可1件ごとの登録免許税が必要です。事業所が2か所以上ある場合は、申請手数料と調査手数料に、事業所の数に応じた額が加算されます。

区分納付先金額
申請手数料国10,600円+4,400円×(事業所の数-1)
調査手数料外国人技能実習機構81,000円+57,600円×(事業所の数-1)
登録免許税国許可1件につき15,000円

事業所が1か所の場合、申請の費用は合わせて106,600円となります。調査手数料は、監理団体向けの振込先に払い込まないよう注意が必要で、払込みの方法は外国人技能実習機構のホームページで案内されています。

有効期間と更新

許可の有効期間は、初回は原則として3年です。更新後は原則として3年ですが、それまでの許可の期間中に改善命令や事業停止命令を受けていなければ5年となり、更新の申請は、有効期間が満了する日の3か月前までに行う必要があります。

施行日前申請と申請の時期

監理支援機関の許可は、育成就労制度が始まる令和9年4月1日より前から申請を受け付ける「施行日前申請」が、令和8年4月15日から始まっています。外国人技能実習機構は、申請から事業の開始までに6か月以上の期間を見込むよう示しており、施行日の令和9年4月1日から事業を始めるための申請の目安を、令和8年9月30日としていました。

この目安の日はすでに過ぎているため、これから申請する場合は、事業を始められる時期が施行日より後になる可能性を見込んで、受入れ企業や送出機関との調整を進める必要があります。申請書類に不備があると審査がさらに遅れ、希望する時期までに結果が出ないこともあるため、書類は不備のない状態で提出することが大切です。

許可証は、令和9年4月以降に郵送で交付される予定で、許可証の発送をもって結果の通知とされ、電話での照会には応じてもらえません。また、優良な監理支援機関の認定は、施行日前申請と同時に申請することはできず、送出機関を追加したり変更したりする場合は、原則として令和8年12月28日までに変更申出書を提出する必要があります。

許可を受けた後の義務

許可を受けた監理支援機関は、受入れ企業に対する監査を3か月に1回以上行い、監査の後2か月以内に監査報告書を提出する必要があります。あわせて、毎年1回の事業報告書の提出も求められます。

届け出た事項に変更があった場合は1か月以内に、事業を廃止したり休止したりする場合は1か月前までに届け出る必要があります。許可の基準を満たさなくなった場合や法令に違反した場合は、改善命令や事業停止命令、許可の取消しの対象となります。

Q. いまの監理団体の許可があれば、育成就労の業務もできますか?
A. 育成就労の業務を行うには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。監理支援機関の許可を受ければ、技能実習の一般監理事業の許可を受けたものとみなされます。


Q. 株式会社でも監理支援機関になれますか?
A. 監理支援機関は営利を目的としない法人に限られるため、株式会社はなれません。原則として、事業協同組合や商工会議所、公益法人といった法人が対象です。


Q. 外部監査人は行政書士に頼めますか?
A. 行政書士も外部監査人になることができますが、資格だけでは足りず、出入国や労働の法令の高度な知識と経験や、過去3年以内の養成講習の修了が求められます。受入れ企業と顧問契約を結んでいる行政書士は、外部監査人になれません。


Q. 申請にかかる費用はいくらですか?
A. 事業所が1か所の場合、申請手数料10,600円、調査手数料81,000円、登録免許税15,000円の合計106,600円です。事業所が増えると、申請手数料と調査手数料が加算されます。


Q. 今から申請しても、令和9年4月1日から事業を始められますか?
A. 施行日から事業を始めるための申請の目安は令和8年9月30日とされていたため、今から申請する場合は、事業を始められる時期が施行日より後になる可能性を見込んでおく必要があります。

監理支援機関許可申請サポート

監理支援機関の許可を受けるには、営利を目的としない法人であることや、2者以上の受入れ企業、受入れ企業と外国人の数に応じた常勤の役職員、債務超過でないこと、独立した外部監査人、母国語による相談の体制と事業所といった要件をすべて満たし、外国の送出機関から取次ぎを受ける場合は、認定送出機関と育成就労用の契約を結ぶ必要があります。いまの監理団体も、育成就労の業務を行うには新たに許可を受ける必要があり、許可を受けた後も、3か月に1回以上の監査と報告、毎年の事業報告、変更や廃止の届出が求められます。

弊所では、監理支援機関の許可申請を代行しています。法人の形態や役職員の体制が要件を満たしているかの確認から、監理支援事業計画書や業務運営規程、個人情報適正管理規程の作成、送出機関との契約書類の確認、申請書と添付書類の作成に至るまで、しっかりまるっとサポートいたします。

さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。監理団体から監理支援機関への移行や、新たに監理支援事業を始めることをお考えの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

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