認定後の定期報告と変更届│日本版DBSの認定事業者が続ける手続きを行政書士が解説

学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(以下、こども性暴力防止法)の認定には有効期間がなく、更新の手続きもありませんが、認定を受けた事業者は、毎年の定期報告や、事業者の名称や規程を変えるときの届出を続ける必要があります。
これらを怠れば認定を取り消されることもあるため、認定を受けた後にどのような手続きが続くのかを、あらかじめ押さえておくことが大切です。
本記事では、こども家庭庁のQ&Aに沿って、定期報告の時期と報告する事項、変更の届出が必要な場合と軽微な変更として不要な場合、認定時の現職者の確認が完了したときの届出、廃止の届出、帳簿と監督、認定事業者マークの使い方までを行政書士が解説します。
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認定後に続く手続きの全体像
認定を受けた事業者には、毎年決まった時期に行う手続きと、事業の内容が変わったときに行う手続きがあります。それぞれの手続きと時期は、以下のとおりです。
| 手続き | 時期 |
|---|---|
| 定期報告 | 認定から1年が経過する日の前日までに初回を行い、その後は1年ごと |
| 変更の届出 | 公表されている事項や規程を変更する場合に、原則として変更する日の2週間前まで |
| 認定時の現職者の確認完了の届出 | 認定を受けた日に従事していた人全員の犯罪事実確認が終わったとき |
| 廃止の届出 | 事業を廃止する場合や、認定の継続を希望しない場合に、予定する日の2週間前まで |
このうち定期報告と確認完了の届出は、こまもろうシステムを通じて行います。認定を受けた事業者は、これらの手続きに加えて、犯罪事実確認の状況を記録する帳簿を備え、こども家庭庁の監督を受けることになります。
定期報告
定期報告は、認定を受けた事業者が、1年間に講じた措置の実施状況をこども家庭庁に報告する手続きです。認定を受けた事業者は、毎年1回、決められた期限までに報告する必要があります。
報告の時期
初回の定期報告は、認定を受けた日から1年が経過する日の前日までに行い、その後は、初回の期限から1年ごとに報告します。報告する内容は、期限の月の前月の初日を基準日として、その時点の状況をまとめることになります。
たとえば、2027年2月1日に認定を受けた場合は、2028年1月1日が基準日、2028年1月31日が初回の報告の期限となり、それ以降は毎年1月31日が期限となります。学校や認可保育所といった義務の対象となる事業者は毎年5月末日が期限とされていますが、認定を受けた事業者は、認定を受けた日によって期限がそれぞれ異なる点に注意が必要です。
報告する事項
定期報告では、1年間に講じた安全確保の措置、犯罪事実確認、情報管理措置の実施状況を報告します。防止措置については、性暴力の申出があった件数や、児童対象性暴力等があったと判断した件数、不適切な行為があったと判断した件数を報告することになり、犯罪事実確認で特定性犯罪の前科があると分かった人の数も、報告の事項に含まれます。
このように、定期報告では1年分の件数や実施状況をまとめて報告することになるため、申出への対応や研修の実施、情報の取扱いの記録を、日頃から残しておくことが欠かせません。なお、報告した事項のうち、前科があると分かった人の数は、情報公開の請求があっても公開されない情報として扱われるとされています。
国や自治体の場合
国や地方公共団体は、学校設置者等としては定期報告の義務を負いませんが、認定を受けた事業については扱いが異なります。市町村が放課後児童クラブの共同認定を受けた場合のように、認定を受けた事業については、国や地方公共団体であっても定期報告を行う必要があります。
報告を怠った場合
定期報告を怠ることは、認定を取り消される理由となり得ます。また、こども家庭庁から報告を求められたときに報告をしなかったり、偽りの報告をしたりした場合は、50万円以下の罰金の対象となるため、期限を管理する担当者を決めておくことが大切です。
変更の届出
認定を受けた後に、こども家庭庁が公表している事項や、児童対象性暴力等対処規程、情報管理規程を変更する場合は、届出が必要です。ただし、規程の変更のうち、実質的な内容が変わらない軽微な変更は、届出の必要はありません。
届出が必要な変更
届出が必要となるのは、以下の公表されている事項を変更する場合と、児童対象性暴力等対処規程や情報管理規程を変更する場合です。公表されている事項は、認定を受けた事業者の情報としてこども家庭庁のウェブサイトに載るため、変更する際は事前に届け出る必要があります。
- 事業者の氏名又は名称
- 事業者の住所又は所在地
- 代表者の氏名
- 事業の概要と種別
- 事業所の名称と所在地
- 教育保育等従事者の業務の概要
- フランチャイズ方式で事業を行う場合はその旨
届出が要らない軽微な変更
規程の変更のうち、以下のような軽微な変更は、届出の必要がありません。ただし、人事異動であっても、担当者の実質的な役割が変わる場合は、届出が必要になります。
- 部署名や役職名の変更のように、規程の実質的な内容が変わらない形式的な変更
- 規程に定める必要のない措置の内容の変更
- 情報管理の水準を保ったまま手法を変える変更や、水準を高める変更
- 同じ部署や役職に別の人が就く人事異動による変更や、婚姻による氏名の変更
届出の期限
変更の届出は、原則として、変更する日の2週間前までに行う必要があります。代表者の交代や事業所の移転のように、あらかじめ日程が分かっている変更は、日程が決まった段階で届出の準備を始めておくと、期限に遅れずに済みます。
認定時の現職者の確認完了の届出
認定を受けた日に従事していた人と内定していた人は、認定を受けた日から1年以内に、全員の犯罪事実確認を終える必要があります。全員の確認が終わったときは、確認を終えた日、確認を終えた人数、確認を終えた人の一覧を、こまもろうシステムで届け出ることになります。
届出を受けると、こども家庭庁は、その事業者の確認が完了したことを公表の内容に反映します。保護者にとっては、事業者が現職の従事者の確認を終えたかどうかを知る手がかりとなるため、確認が終わったら速やかに届け出ることが大切です。
廃止の届出
事業を廃止する場合のほか、認定の継続を希望しない場合や、事業が認定の対象となる要件を満たさなくなる場合も、廃止の届出が必要です。届出は、事業の廃止や認定の終了を予定する日の2週間前までに行う必要があり、その日をもって認定は効力を失います。
認定が効力を失った後は、認定事業者マークを使うことはできません。また、事業者が認定事業者に当たらなくなった場合は、その日から30日以内に、犯罪事実確認の記録を廃棄、消去する必要があります。
帳簿と監督
認定を受けた事業者は、犯罪事実確認の状況を記録する帳簿を備える必要があり、帳簿はこまもろうシステムで作成されます。帳簿を備えなかったり、記載しなかったり、偽りの記載をしたり、保存しなかったりした場合は、50万円以下の罰金の対象となり、法人の場合は、違反した本人に加えて法人にも罰金が科されます。
認定を受けた事業者はこども家庭庁の監督を受け、報告を求められたり、立入検査を受けたりすることがあります。報告をしなかったり、偽りの報告をしたり、検査を拒んだりした場合も、50万円以下の罰金の対象となります。
こども家庭庁から是正命令を受けた場合は、必要な措置を講じるまでの間、新たな犯罪事実確認書は交付されず、申請中のものも交付されません。この間はいとま特例も使えないため、新たに人を採用しても、子どもと接する業務に就かせることができなくなり、帳簿や監督に関する義務に違反した場合は、認定を取り消されることもあります。
認定事業者マークの使い方
認定を受けた事業者は、水色の「認定事業者マーク」を使うことができます。マークを付けられるものと付けられないものは、以下のとおりです。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 付けられるもの | 制服、パンフレット、募集案内、メディアの広告、ウェブサイト、名刺、受付、看板、求人広告 |
| 付けられないもの | 宣伝用のペンやクリアファイルのように、配った後に第三者が使い回したり、回収が難しくなったりするもの |
名刺にマークを付けられるのは、認定を受けた事業に携わる従事者に限られます。また、認定を受けていない事業には、認定を受けた事業と一体的に運営している場合であっても、マークを付けることはできません。
Q. 認定に更新の手続きはありますか?
A. 認定に有効期間はなく、更新の手続きもありません。ただし、毎年1回の定期報告が必要です。
Q. 初回の定期報告はいつまでに行いますか?
A. 認定を受けた日から1年が経過する日の前日までに行います。その後は、初回の期限から1年ごとに報告します。
Q. 規程の担当者が人事異動で替わった場合も届出が必要ですか?
A. 同じ部署や役職に別の人が就くだけであれば、軽微な変更として届出は不要です。担当者の実質的な役割が変わる場合は、届出が必要です。
Q. 代表者が替わる場合はいつまでに届け出ますか?
A. 代表者の氏名は公表されている事項のため、原則として、変更する日の2週間前までに届け出る必要があります。
Q. 定期報告をしないとどうなりますか?
A. 定期報告を怠ることは、認定を取り消される理由となり得ます。こども家庭庁からの報告の求めに応じなかった場合は、50万円以下の罰金の対象となります。
こども性暴力防止法の関連サポート
日本版DBSの認定を受けた事業者は、認定から1年が経過する日の前日までの初回の定期報告と、その後1年ごとの定期報告を続けるとともに、公表されている事項や規程を変更する際は、原則として変更する日の2週間前までに届け出る必要があります。あわせて、認定時の現職者の確認が完了したときの届出、事業を廃止するときの届出、帳簿の備付けとこども家庭庁の監督への対応も求められます。
弊所では、こども性暴力防止法の認定申請と、認定後の手続きを代行しています。定期報告の期限の管理と報告の作成から、変更の届出、規程の見直し、認定時の現職者の確認完了の届出、廃止の届出に至るまで、しっかりまるっとサポートいたします。
さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。学習塾やスポーツクラブ、放課後児童クラブ、認可外保育施設で認定の取得をお考えの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
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