整骨院(接骨院)開業のための届出と基礎知識

実は私が初めて手にした国家資格こそが柔道整復師免許であり、かつては立派な整骨院を開業することを夢見て下積みに励んでいた時代がありました。
その後尼崎市において実際に整骨院を開院するに至るわけですが、紆余曲折を経て現在は同市内で行政書士事務所を営んでいるのですから人生わからないものです。
さて、ここまでは私自身の昔話しですが、かつての私が経験したように、整骨院等の施術所を開設しようとするときは、それなりに面倒な手続きを経る必要があります。
そこで本稿では、整骨院や鍼灸院の開業を目指す先生方のために、施術所を開設する際に必要とされている手続きについて詳しく解説していきたいと思います。
目 次
施術所開設届
施術所の開設者は、開設後10日以内に、施術所の所在地を管轄する保健所に対し、施術所開設届をはじめ、以下の書類提出する必要があります。また、あん摩マッサージ、はり、きゅうの施術所を併設する場合には、それぞれの開設届を併せて提出することになります。
- 施術所開設届
- 柔道整復師免許の原本と写し
- 本人確認書類(提示)
- 施術所平面図
- 施術所周辺図
- 定款の写し(法人)
- 登記事項証明書(法人)
- 賃貸契約書のコピー(賃貸の場合)
- その他各保健所で求められる書類作成
この届出自体は営業開始の要件とはされていませんが、施術所において保険請求を行うためには地方厚生局に対して受領委任取扱契約の届出を行う必要があり、その際の添付書類として施術所開設届の写しが求められていることから、開業当日から保険請求を行うことはできません。
この期間はいわゆる「待機期間」のようなものであり、実際に営業を行っていることが受領委任取扱契約の要件となっています。
なお、多くの整骨院ではこの仕組みを逆手に取って、営業開始時期をプレオープンとすることでオープンまでの下準備をスムーズに進めるという手法を採用しています。
保健所の実地調査
実地調査については、これを実施する自治体もあれば、実施しない自治体もあるなど、自治体ごとの対応に温度差があります。
開業前後のスケジュールに大きく関わる事項であるため、調査の有無やその内容については、事前に保健所に問い合わせをするなどして準備を進めるようにしましょう。
受領委任取扱契約の届出
すでに触れているように、施術所において保険請求を行おうとする場合は、開設届の提出後、施術所を管轄する地方厚生局に対して以下の書類を提出することにより受領委任取扱契約の届出を行う必要があります。ただし、これは個人と地方厚生局との契約の場合における取扱いであって、社団法人の会員である場合は、団体が地方厚生局と契約を締結する「団体協定」という形になります。
- 確約書
- 受領委任の取扱いに係る届出
- 実務経験期間証明書
- 施術管理者研修修了証の写し
- 開設届の写し(保健所の受理印のあるもの)
- 施術所平面図
- 施術所周辺図
- 施術管理者の柔道整復師免許証の写し
- その他地方厚生局が求める書類
受領委任取扱契約とは、本来であれば施術料を全額支払った後に患者側が保険者に請求して償還払いを受けるべきところ、施術所側が患者の自己負担分のみを先に受領し、後に残りの分を保険者に請求するというシステムに変更するための契約です。
施術所は、この届出が受理された日から保険を取り扱えるようになり、患者の施術料支払いや療養費請求手続きに係る負担が軽減され、保険者等への療養費請求手続きが明確化されることになります。
施術管理者

各施術所には、施術や受領委任の取扱いを管理する有資格者を施術管理者として配置する必要があります。
この施術管理者になるためには、資格取得後3年間の実務経験を有することが必要とされているほか、2日間の施術管理者研修を受講することが義務付けられています。
実務経験証明書
施術管理者となる柔道整復師が従事していた期間については、原則として、その者が従事していた施術所の管理者(開設者又は施術管理者)が証明を行いますが、すでに地方厚生(支)局において勤務柔道整復師として登録されていた実績があれば、その情報を実務経験の期間を確認するものとして使用することもできます。
また、複数の施術所での経験を合算することもできますが、この場合はそれぞれの開設者又は施術管理者の証明が必要となります。
施術所の施術管理者が行方不明である等の事情により連絡が取れない場合は、給与明細や源泉徴収表を添付する方法により実務経験を証明する方法が認められることがありますが、恣意的な理由により連絡が取れないといった事情がある場合にこの方法は認められていません。
施術管理者研修
施術管理者研修は公益社団法人柔道整復研修試験財団が主催しており、事前に申し込み、研修費用として20,000円を振り込むことにより受講することができます。
土日祝日の連続した2日間(16時間)で実施され、研修受講後2週間程度で施術管理者研修修了証が送付されてきます。
共済組合・防衛省等への届出
共済組合や防衛省等の保険を取り扱うためには、それぞれの組合等を管轄する機関に対して以下の書類を提出する必要があります。(届出が不要な都道府県もあるため、事前にしっかりと確認するようにしましょう。)
- 申請書
- 確約書
- 柔道整復師免許証の写し
なお、地方公務員関係は地方公務員共済組合協議会に対して届出を行いますが、保険の取扱いについては知事の承諾が必要とされています。
労災保険指定医療機関の指定
労災保険を取り扱うためには、管轄する都道府県労働局に対し、以下の書類を提出することにより届出を行い、都道府県労働局長による指定を受ける必要があります。
- 申出書
- 委任者選任届
- 受任者選任届
- 確約書
- 指定機関登録報告書
- 開設届の写し(保健所の受理印のあるもの)
- 柔道整復師免許証の写し
- 施術所平面図
- 施術所周辺図
届出に不備がなければ、約1~3か月程で通知書によって通知がなされます。
生活保護法等の指定
生活保護を取り扱うためには、施術者ごとに施術所を管轄する福祉事務所に対して以下の書類を提出することにより申請し、生活保護法による指定を受ける必要があります。
- 指定助産機関・施術機関指定申請書
- 誓約書(指定助産機関・施術機関指定関係)
- 柔道整復師免許証の写し(施術者ごと)
- 契約書2通(協定団体に所属していない方)
開設時申請サポート
弊所では、兵庫県及び大阪府を中心に、施術所開設届の代行を承(うけたまわ)っています。サポートを承ったときは、事前調査、書類作成、関係各所とのやり取り、届出の代行及び検査の同行に至るまで、まるっとフルサポートさせていただいています。下記の報酬額は市場の相場を勘案して当初から割り引いたものですが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。開業前の不安は、同じ柔道整復師であるからこそ理解することができます。施術所を開設しようとする際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。
施術所開設届 | 44,000円 |
変更届等 | 22,000円 |
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