神戸市道における乗入れ施設の設置基準について

神戸市内の道路

神戸市では、市が管理する道路における歩道又は自転車歩行者道の乗入れ施設の設置について乗入れ施設設置基準(PDF:261KB)を設け、 歩行者又は自転車の安全な通行の確保と、道路構造の保全のため、必要な事項を定めています。

ここで言う乗入れ施設とは、自動車の通行を考慮した構造で整備された歩道等の部分を指しますが、歩道等は、歩行者等の安全な通行を確保するための施設であるので、自動車が道路外施設等(ガソリンスタンド、路外駐車場、工場、倉庫、車庫その他の自動車が出入りする道路外の施設又は場所)に出入りするため、経常的に歩道等を横断する場合は、この基準に定める乗入れ施設を設置する必要があります。

分かりやすく言えば、建物の建築工事や駐車場の設置工事に伴って、歩道等に自動車が乗り入れるため必要的に設置する施設の基準が乗入れ施設設置基準です。

神戸市道における自動車の歩道等への乗入れを伴う道路使用、道路占用及び承認工事の申請の際にも重要な基準となるため、該当する行為を行う方は、本稿でしっかりと確認するようにしてください。

設置数

乗入れ施設は、原則として、乗入れの対象となる道路外施設等ごとに1箇所に限り設置することができます。交通安全上その他の理由により乗入れ施設を分離する必要がある場合は、別途設置数を定めることができますが、歩道等が歩行者等の安全な通行を確保するための施設であることを踏まえ、設置数は、合理的かつ必要最小限のものとする必要があります。

なお、まちづくり協定(神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例第9条の規定により締結された協定、建築協定(神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例第34条の規定により締結された協定)については、事前に調整し、協定等の関係者と十分協議の上、乗入れ施設を設置するものとされています。

設置位置

乗入れ施設は、交通安全、道路管理等の観点から、特に支障がないと認められる場所に設置することができますが、原則として、以下の場所には設置することができません。

  • 横断歩道及び前後5m以内の部分(歩行者等が滞留する部分以外で、交通安全上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • トンネルの前後各50m以内の部分(乗入れする自動車に対する視認性等から交通安全上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • バス停留所(停留所を表示する標柱又は表示板のみの場合は、その位置から各10m以内)及びバス停車帯の部分(歩行者等が滞留する部分以外で、交通安全上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • 地下道、地下鉄の出入口及び横断歩道橋の昇降口から5m以内の部分(乗入れする自動車及び通過車両相互の視認性等から、交通安全上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • 交差点及び交差点の側端または道路の曲がり角から5m以内の部分(T字型交差点のつきあたりの部分や道路の交通量が少ない場合など、交通安全上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • 橋の部分(橋の構造上特に支障がないと認められる場合を除く)
  • 防護柵及び駒止めの設置されている部分(防護柵等を撤去しても、交通安全上特に支障がないと認められる区間を除く)
  • 交通信号機、道路照明灯の移転を必要とする箇所(施設の管理者が移転を認めた場合を除く)

乗入れ幅

乗入れ幅とは、道路外施設等に出入りする自動車が通行する乗入れ施設の部分の幅をいいますが、これは乗り入れる自動車の種類により、下表が標準となります。

型式乗り入れる自動車の種類1乗入れ幅23
Ⅰ種軽自動車、小型自動車、小型特殊自動車、普通乗用自動車(乗車定員10人以下)4.0m以下
Ⅱ種普通乗用自動車4(乗車定員11人以上)、普通貨物自動車(最大積載重量6.5t未満)6.0m以下
Ⅲ種普通貨物自動車5(最大積載重量6.5t以上)8.0m以下
  1. 道路外施設等の用途・目的等により、通行の可能性のある自動車の種類を判断し、出入する車種の最大のものについて上表を適用する。 ↩︎
  2. 乗入れ幅の数値は、乗入方向に直角方向の長さとする。 ↩︎
  3. トレーラー又は大型特殊自動車が出入りする場合は、出入りする自動車の回転軌跡図を考慮して、乗入れ幅を別途決定する。 ↩︎
  4. 普通乗用自動車とは、道路運送車両法に規定する普通自動車のうち、専ら人を運搬する構造の自動車をいう。 ↩︎
  5. 普通貨物自動車とは、道路運送車両法に規定する普通自動車のうち、専ら貨物を運搬する構造の自動車をいう。 ↩︎

ただし、自動車の構造、現地の地形・交通の状況等から表により難(がた)い場合は、自動車の回転軌跡図(回転軌跡図自動車が最小回転半径で回転(旋回)する場合に、どのような軌跡を描いて走行するかを示す図)を考慮し、合理的かつ必要最小限の範囲で、別途乗入れ幅を定めることができます。

また、同一敷地内で、やむを得ず並列複数台の自動車が乗り入れする場合は、車庫等の幅以内で設置することができます。

形状および構造

乗入れ施設の構造は、以下の基準によるほか、最新の標準構造図集(土木一般工事、神戸市土木技術管理委員会)(PDF:13,423KB)によります。

乗入れ角度乗入れ施設は、車道に対して90度の角度(乗入れ角度90度)で設置する必要があります。ただし、移設の困難な施設があるなど、やむを得ない場合で、交通安全上特に支障がない場合はこの限りではありません。参考図1〜3
縦断方向にすり付ける構造の乗入れ施設の複数設置縦断方向にすり付ける構造の乗入れ施設を複数設置する場合(既存の乗入れ施設を改築する場合を含む)は、乗入れ施設の設置により歩道等が波打たないよう、設置する乗入れ施設間の歩道等の高さと乗入施設(すり付け部を除く) の高さは同一とします。参考図2の(a)
縦断方向にすり付ける構造の乗入れ施設の間隔縦断方向にすり付ける構造の乗入れ施設の間隔が 10m以上となる場合または隣接する民地等との高さ調整が困難な場合は、上記の規定によらないことができます。参考図2の(b)
道路移動等円滑化基準に合致するように整備された特定道路道路移動等円滑化基準に合致するように整備された特定道路において、乗入れ施設を設置する場合は、道路移動等円滑化基準に合致するよう整備する必要があります。
参考図

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