大阪市における興行場営業許可申請│興行場開業サポート

大阪道頓堀の人混み

興行場とは、映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設のことをいいます。業として興行場を経営しようとする者は、興行場を設置しようとする場所の都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては市又は特別区の長)に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。

大阪市は保健所設置市であるため、大阪市内に興行場を設置しようとする際の営業申請は市長に対して行い、その許可を受けることになります。興行場の営業許可申請は、手続きの大部分を各自治体の条例に委ねらているため、比較的簡便に手続きが完了する地域もあれば、厳格な手続きを求める地域も存在しています。

そこで本稿では、これから大阪市内において興行場を開設しようと検討される皆様に向け、必要となる手続きや許可の基準について詳しく解説していきたいと思います。

興行場とは

冒頭で触れているとおり、興行場とは、映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設のことをいいます。大阪市内において、業として興行場を経営しようとする者は、大阪市長に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。

「業として」とされているので、たとえば1回限りの演劇を上映するための舞台などを設置する際に許可は不要であると考えられますが、1回限りの演目を、演目を替えて継続して上映するような場合は、やはり許可が必要になるものと考えられます。

市長は、興行場の設置の場所又はその構造設備が条例で定める公衆衛生上必要な基準に適合しないと認めるときは、許可を与えないことができるものとされています。大阪市における興行場の営業許可については、大阪市興行場法施行条例(PDF:333KB)及び大阪市興行場法施行細則(PDF:316KB)により、その基準が設けられており、営業者は、興行場について、条例が求める基準を満たす必要があります。

設置場所の基準

興行場の設置の場所については、排水を容易に行うことができる場所であることが求められています。ただし、興行場の床面が不浸透性材料(石、コンクリートその他汚水が浸透しないもの)で覆われる等防湿上有効な措置が講じられている場合はこの限りではありません。

構造設備の基準

興行場の構造や設備についても事細かく基準が設けられており、原則として、以下に解説する基準をクリアすることができない施設については、許可を受けることができません。

ただし、野外、仮設、特設又は臨時の興行場については、これらの基準によることができない場合であって衛生上支障がないと認めるとき及びこれらの基準による必要がないと認めるときは、市長は、これらの基準の一部を緩和し、又は適用しないことができるものとされています。

興行場全般の構造設備

  • 食堂、売店又は食品の自動販売機その他これに類する機械は、便所その他不潔な場所に近接して設置されていないこと
  • 喫煙所は、興行場内において全面的に喫煙が禁止されている場合を除き、各階に1か所以上設けること(興行場の種類、規模又は用途により、市長が公衆衛生上支障がないと認めるときはこの限りでない)
  • 喫煙所の場所は、たばこの煙が観覧場1に流入しない場所又は流入することを防止するための設備を設けた場所であること
  • 喫煙所の床面積は、入場定員に応じ十分な広さを有すること
  1. 興行場のうち入場者が興行を見、又は聞くために利用する場所 ↩︎

観覧場の構造設備

  • 入場者が容易に移動し、着席し、及び出入りすることができるものであること
  • 清掃及び消毒が容易にできるものであること
  • 十分な広さ及び高さを有すること
  • 適当な数及び広さの出入口及び観覧席を備えていること

観覧場の機械換気設備

観覧席が地階にあるもの第1種換気設備(給気用送風機及び排気用送風機を有する機械換気設備)
観覧席が地階にないもの床面積の合計が400㎡を超えるもの
床面積の合計が150㎡を超え400㎡以下のもの第1種換気設備又は第2種換気設備(給気用送風機及び自然排気口を有する機械換気設備)
床面積の合計が150㎡以下のもの第1種換気設備、第2種換気設備又は第3種換気設備(自然給気口及び排気用送風機を有する機械換気設備)

機械換気施設の送風機、風道の要所、給気口、排気口その他重要な部分は、保守点検及び整備を容易に行うことができる構造でなければならないほか、機械換気設備については、観覧場の空気環境について、以下の基準に適合させることができる性能を有するものであることが求められています。

  • 炭酸ガスの含有率は、100万分の1,500以下であること
  • 一酸化炭素の含有率は、100万分の10以下であること
  • 浮遊粉じんの量は、空気1立方メートルにつき0.2mg以下であること
  • 気流の速度は、毎秒0.75m以下であること

照明設備の基準

興行場の照明設備については、床面から85cmの高さの全ての場所で照度100ルクス以上を保ち得る照明設備が設けられていること

便所の構造設備

  • 便所の設置場所は、場内であること(興行場の種類、規模又は用途により、市長が公衆衛生上支障がないと認めるときは、この限りでない)
  • 男用及び女用に区別されていること
  • 便所の出入口は、観覧場に面しない構造であること
  • 換気設備及び手洗設備が設けられていること
  • 床面及び内壁のうち床面から少なくとも1mの高さまでの部分は、不浸透性材料を用いること
  • 女子用便所及び男子用大便所は、便器ごとに、縦120cm以上、横90cm以上の広さを有する個室に区画すること
  • 男子用小便器を隣接して設ける場合にあっては、その間隔は、60cm以上とすること
  • 各階の便所の便器の数の合計は、観覧場の床面積の区分に応じ、それぞれ以下に定める数以上であること(興行場の種類、規模又は用途により、市長が公衆衛生上支障がないと認めるときは、この限りでない)
区分便器の数
300㎡以下15㎡までごとに1個
300㎡を超え600㎡以下20個に300㎡を超える床面積20㎡までごとに1個を加えた数
600㎡を超え900㎡以下35個に600㎡を超える床面積30㎡までごとに1個を加えた数
900㎡を超える場合45個に900㎡を超える床面積60㎡までごとに1個を加えた数

興行場全般の措置

  • 興行場の内部及び周囲を毎日清掃すること
  • ねずみ、衛生害虫等の駆除は、生息状況の調査を行った上で、捕獲用器材の使用その他の適切な方法により定期的に行い、その実施記録は、2年間保存すること
  • 便所は、毎日清掃し、及びエタノールの使用その他の適切な方法により定期的に消毒を行い、その消毒の実施記録は、2年間保存すること
  • 清掃用具その他の用具類は、専用の場所に保管し、その場所は、常に清潔を保つこと
  • ごみ箱は、汚物、悪臭等が飛散し、又は流出しないように管理すること
  • 入場者の用に供する座席等は、常に清潔を保つこと

観覧場の空気環境の措置

  • 観覧場の機械換気設備に適合させること
  • 空気環境に係る事項の測定は、必要に応じ実施し、その実施記録は、2年間保存すること

興行場営業許可申請

興行場の営業許可を受けようとする者は、以下の書類を大阪市保健所環境衛生監視課(外部サイト)に持参し、手続きを行います。なお、保健所に納付する申請手数料は、常設興行場の場合は22,000円、臨時・仮設興行場の場合は11,000円となります。

  • 興行場営業許可申請書〔様式1〕
  • 構造設備の概要〔様式2〕
  • 平面図、断面図、立面図及び配置図
  • 給気口及び排気口の位置を示す図面その他の構造設備の図面
  • 機械換気設備の仕様書その他の構造設備の仕様書
  • 営業施設の周囲300m以内の見取図
  • 建築基準法に基づく検査済証の写し又は仮使用承認書の写し
  • 消防法令に基づく適合通知書の写し
  • 登記事項証明書(営業者が法人の場合:3か月以内のもの)
  • その他市長が必要と認める書類

変更の届出

営業者は、申請書に記載した以下のいずれかの事項について変更があったときは、その事実が生じた日から10日以内に、興行場営業許可事項変更届〔様式6〕に、変更の事実を明らかにした書類(以下参照)及びその他市長が必要と認める書類を添付して提出することにより、変更の届出を行う必要があります。

なお、ここで言う「変更の事実を明らかにした書類」とは、具体的には以下のような書類となります。

営業者の住所、氏名変更の場合登記事項証明書(営業者が法人の場合:変更事項が記載された3か月以内のもの)
構造設備の変更の場合構造設備の概要〔様式2〕:変更前を黒字、変更後を赤字で記入
平面図:変更後の構造設備を明記したもの
消防法令適合通知書確認済証及び工事が完了していることを証する書類の写し:増築等の建築基準法の確認申請が必要な場合

停止等の届出

営業者は、営業の全部又は一部を停止し、又は廃止したときは、その事実が生じた日から10日以内に、興行場営業(休止・廃止)届〔様式7〕を提出することにより、休止・廃止の届出を行う必要があります。また、営業の廃止の届出の場合にあっては、廃止する興行場営業の許可書を添付する必要がありますが、休止届の場合にあっては、特に添付書類は必要ありません。

なお、個人営業者が死亡している場合における営業の廃止の届出にあっては、以下の書類も併せて提出する必要があります。

  • 届出者の戸籍謄本又は法定相続情報一覧図の写し
  • 被相続人の戸籍謄本又は除籍謄本:相続人との関係を確認するための書類(法定相続情報一覧図の写しを添付する場合は不要)
  • 廃止同意証明書〔様式全2〕

興行場営業許可申請サポート

弊所では、大阪市全域にわたり、興行場営業許可申請の手続き代行を承(うけたまわ)っております。保健所での事前協議から、書類作成や役所とのやり取りまで、まるっとしっかりサポートいたします。下記の報酬は、市場価格を反映して当初から割り引いて提示するものですが、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。興行場の開設でお困りの際は、弊所までどうぞお気軽にご相談ください。

手続き申請手数料報酬合計額
興行場新規許可申請1件につき22,000円110,000円〜132,000円〜
仮設又は既設の建物を使用して臨時に興行する興行場の許可申請1件につき11,000円99,000円〜110,000円〜
※税込み

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