大阪で産業廃棄物収集運搬業許可をさくっと取得する方法│格安代行サポートあり
排出場所(荷積み地)又は予定処分場(荷降ろし地)が大阪府内にある場合、産業廃棄物を収集し運搬するためには、大阪府知事から産業廃棄物収集運搬業許可を取得する必要があります。
産業廃棄物収集運搬業許可申請は弊所において相談件数の多い事業のひとつですが、産業廃棄物の処理については政令市も事務を担当していることから、政令市を9都市も抱える大都市大阪では申請先に迷うなど混乱を生じてしまうことがあります。
そこで本稿では、大阪府において産業廃棄物収集運搬業を営むにあたり必要となる手続きと注意点について詳しく解説していきたいと思います。
本稿最下段には手続きを格安でサポートするプランを提示させていただいておりますので、最後までご覧いただければ幸いです。
目 次
産業廃棄物について
一般家庭から排出される「一般廃棄物」に対し、事業活動に伴って排出されるゴミを「産業廃棄物」(以下、産廃)といいます。具体的には、事業活動に伴って発生した廃棄物のうち、法令で定められた20種類の廃棄物が産廃として取り扱われています。
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラス、コンクリート
- 陶磁器くず
- 鋼さい
- がれき類
- ばいじん
上記13種の廃棄物については、どの業種から排出されても産廃に該当します。したがって、飲食店から排出されようが、建設現場から排出されようが、「廃プラスチック類」は産廃に該当することになります。
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動物系固形不要物
- 動植物性残渣
- 動物のふん尿
- 動物の死体
他方、上記の7種については、それぞれに指定されている業種(指定業種)から排出される場合に限り産廃として処理されます。産廃として処理されない廃棄物については「事業系一般廃棄物」として処理されることになります。
★動植物性残渣
動植物性残渣(どうしょくぶつせいざんさ)とは、動物や魚の皮・肉・骨、卵から、貝がら、肉・乳類の加工不良品等、動植物性の固形状の不要物のことをいいます。
たとえば、福祉施設の調理場で排出された魚の骨は事業系一般廃棄物として処理されますが、指定業種である食料品製造業の製造段階で排出された魚の骨は産廃として処理されることになります。
★一般廃棄物
一般廃棄物については処理責任の主体が市町村であるため、市町村の処理能力が不足するなど特別な事情がない限りは民間が収集運搬を請け負うことはできません。
★特別産業廃棄物
爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物は特別産業廃棄物として、通常の廃棄物よりも厳しい規制を受けます。
産業廃棄物収集運搬業
他人から委託を受けて産廃を収集し運搬するにあたっては、基準を満たした上で申請し、都道府県知事(又は政令市長)から産業廃棄物収集運搬業許可を受ける必要があります。
本来であれば排出された産廃は、各事業所が処理すべき責任を負っています。このため、自ら排出した産廃を自社で運搬する場合は、当然ながら産業廃棄物収集運搬業許可を取得する必要はありません。
産業廃棄物処理業許可の有効期間は許可日より5年間です。事業を継続しようとする場合は、許可期限満了日までに更新許可申請を行う必要があります。
なお、産業廃棄物処理業者が優良基準に適合していると認めるときは、許可の有効期間が7年に延長される優遇制度も設けられています。
他業種との関わり
類似する事業に運送業がありますが、廃棄物(無価物)を収集し運搬する事業が産業廃棄物収集運搬業であることに対し、運送業は有価物を運搬する事業です。両者は許可要件もまったく異なるため、たとえ一方の許可を取得していても他方の営業を行うことはできません。
また、古物商による出張買取サービスについて産業廃棄物収集運搬業許可は不要ですが、物品の中に無価物が含まれる場合、たとえ無償であったとしてもその物品を運搬したり取引の対象とすることはできません。
なお、国の通達に「新しい製品を販売する際に商習慣として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要である」というものがあります。
この条件に当てはまる限り、下取りには特に何らかの許可を取得する必要はありませんが、たとえば使用済みの製品を手数料を取って引き取るような場合には産業廃棄物収集運搬業許可が必要となります。
申請先について
排出場所(荷積み地)又は産業廃棄物処分場の所在場所(荷降ろし地)が大阪府内にある場合は、大阪府知事から許可を受ける必要があります。ただし、政令市に該当する以下の9市内においてのみ事業を行う場合は、事業を行う市の市長から許可を取得します。
また、荷積み地と荷降ろし地の管轄が異なる場合は、両方の自治体での許可が必要となります。たとえば荷積み地が兵庫県尼崎市で、荷降ろし地が堺市の場合は、兵庫県知事と大阪府知事の両方の許可が必要となります。(尼崎市長と堺市長ではない点に注意!)なお、運搬中に通過するだけの自治体から許可を受ける必要ありません。
荷積み地又は荷降ろし地が大阪府内にある場合 | 大阪府知事の許可 |
政令市においてのみ事業を行う場合 | 政令市長の許可 |
大阪府内の政令市以外の市町村においてのみ事業を行う場合 | 大阪府知事の許可 |
大阪府内の政令市と他の市町村にまたがって事業を行う場合 | 大阪府知事の許可 |
大阪府内の政令市と他府県の政令市にまたがって事業を行う場合 | 大阪府知事と他府県知事の許可 |
兵庫県知事と奈良県知事の許可を取得した事業者が大阪府を通過する場合 | 大阪府の許可は不要 |
★特別管理産業廃棄物収集運搬業
産業廃棄物収集運搬業と特別管理産業廃棄物収集運搬業はそれぞれ別個の許可が必要です。たとえば特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可のみを取得している場合は、(一般の)産業廃棄物の収集運搬は行うことができません。
★積替保管
積み込んだ産業廃棄物を荷積み地でいったん降ろして、一時保管と積替えを行うことを積替保管といいます。積替保管の許可は収集運搬業許可に積替保管を含む形で付与されます。積替施設があれば産廃の収集効率は向上しますが、これを併せることによって許可の取得難易度も格段に上がります。
申請手数料(全国一律)
種類 | 新規 | 更新 | 変更 |
---|---|---|---|
産業廃棄物収集運搬業 | 81,000円 | 73,000円 | 71,000円 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業 | 81,000円 | 74,000円 | 72,000円 |
許可の要件
産業廃棄物収集運搬業許可の要件は自治体により異なりますが、大阪府において求められている要件は以下のとおりです。
- 適切な施設(運搬車・運搬容器等)を有すること
- 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有していること
- 廃棄物処理法を熟知し、取り扱う予定の産業廃棄物について十分な知識を持っていること
- 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有すること
- 欠格事項に該当していないこと
運搬施設
ダンプトラック、吸引車等の車両、ドラム缶、フレキシブルコンテナバック等の容器など、取り扱う産業廃棄物の性状、形状、量に応じた車両及び容器等を保有しており、なおかつ継続的な使用権限を有することが要件とされています。
塵芥車(パッカー車)での「がれき類」、「石綿含有産業廃棄物」、「水銀使用製品産業廃棄物」、「水銀含有ばいじん等」の運搬は認められていないほか、「がれき類」、「鉱さい」、「石炭がら」及び「砂利(砂及び玉石を含む)又は砕石をアスファルト又はセメントにより安定処理したもの」を「土砂等禁止」の車両で運搬することも認められていません。
手続面では車検証のコピーを提出することにより使用者の確認が行われますが、必ずしも自己所有である必要はありません。賃貸やリースである場合は、使用承諾書により使用権限を証明します。
知識及び技能
事業を的確に行うに足りる知識及び技能は、個人事業主(個人の場合)、常勤の取締役(法人の場合)、又はこれらの政令使用人が、財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの実施する講習会を受講し修了することにより証明します。
経理的基礎
申請にあたっては、少なくとも債務超過の状態でなく、かつ持続的な経営の見込み又は経営の改善の見込みがあることが求められています。
自己資本比率、直前の決算期における貸借対照表上の純資産額、直前3年間の経常利益の金額、税金の納付状況等から総合的に判断し、利益が計上されず、かつ債務超過状態にある申請者は、許可の要件には適合しないものとみなされます。
ただし、赤字や債務超過があったとしても直ちに不許可となるわけではなく、以下の追加書類を提出することにより審査が通ることもあります。
- 経理的基礎に関する申立書
- 大阪府税(すべての税目)に未納がない旨の証明書(大阪府・八尾市・吹田市に申請する場合で、かつ大阪府内に事業所を持つ場合に限る)
- 消費税等に滞納がない旨の証明書(税務署発行の納税証明書)法人の場合:その3の3、個人の場合:その3の2(大阪府・八尾市・吹田市に申請する場合に限る)
- 直前3年分の販売費及び一般管理費、売上原価又は製造原価(高槻市に申請する場合は提出不要)
経理的基礎に関する事項は自治体ごとに解釈の基準が異なるように感じますが、主観的には兵庫県よりもややマイルドで、京都府よりはさらにマイルドであるように感じています。(あくまで主観です!)
欠格条項
以下の欠格条項のいずれかに該当する場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けることはできません。
- 成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
- 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 廃棄物処理法等の環境関連法や刑法に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(廃業した場合も同様)
- 法人で暴力団員などがその事業活動を支配するもの
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
許可申請の手続方法
大阪府知事に対する許可申請は、大阪府環境農林水産部循環型社会推進室産業廃棄物指導課処理業指導グループが一括で担当しています。この点は市町村をまたぐと申請窓口がどこになるのか分かりにくい他府県よりもスッキリしています。
ただし、政令市である9都市のひとつでのみ事業を行う場合は、それぞれの政令市が窓口となります。このため実務においては、より広域での業務が可能となる大阪府知事の許可を取得することをお薦めしています。
大阪府環境農林水産部循環型社会推進室産業廃棄物指導課処理業指導グループ
〒559-8555
大阪市住之江区南港北1-14-16大阪府庁咲洲庁舎(さきしまコスモタワー)21階
Tel:06-6210-9564
Fax:06-6210-9569
許可申請に必要となる書類
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画の概要
- 誓約書
- 事務所・事業場・車庫付近の見取図
- 運搬車両・運搬容器等の写真
- 車検証の写し
- 講習会修了証の写し
- 住民票の写し
- 登記されていないことの証明書
- 直近3年分の確定申告書の写し
- 第一表、第二表(個人)
- 別表一(一)、別表四(法人)
- 直近3年分の所得税納税証明書(個人)
- 定款の写し(法人)
- 登記事項証明書(法人)
- 直近3年分の財務諸表(法人)
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本変動計算書
- 個別注記表
- 直近3年分の法人税納税証明書「その1納税額等証明用」(法人)
住民票と登記されていないことの証明書については、役員全員と5%以上の株主すべてについて添付する必要があります。
先行許可証提出による添付書類の省略
大阪府では、申請の際に先行許可証の写しを提出することにより、住民票の写しと登記されていないことの証明書の添付を省略することができる制度を採用しています。大阪府への申請に先行する他の自治体の許可証を保有する場合には、ぜひご活用ください。
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弊所は兵庫大阪を拠点とし、年間180件以上もの申請に携わります。最近は首都圏・四国圏・東海圏・九州圏からも発注があり、着々と対応エリアを拡大しています。もちろん産業廃棄物収集運搬業許可申請も主力業務のひとつです。
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