地方卸売市場の認定について│認定の基準と申請方法

地方御売市場

卸売市場とは、生鮮食料品等(野菜、果実、魚類、肉類、その他の食料品、花き)の卸売のために開設される市場であって、卸売場、自動車駐車場、その他の生鮮食料品等の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものです。

このうち、一定の基準を満たして申請し、その所在地を管轄する都道府県知事の認定を受けたものを「地方卸売市場」と呼んでいます。この認定を受けた卸売市場でないものは、地方卸売市場又はこれに紛らわしい名称を称することはできません。

近年生鮮食料品等の卸売市場経由率は低下傾向にありますが、我が国において卸売市場がまだまだ生鮮食料品等物流を支える要であることは間違いありません。

そこで本稿では、卸売市場が地方卸売市場として認定されるために必要となる基準や手続きについて詳しく解説していきたいと思います。

卸売市場の仕組み

卸売市場

卸売市場には、国(農林水産大臣)から認定を受けた中央卸売市場と、都道府県知事から認定を受けた地方卸売市場とがあります。中央卸売市場は、地方卸売市場よりも取引にかかる規制が一層多いのが特徴となっています。

卸売市場では、卸売業者が全国の出荷者から仕入れた生鮮食料品等を市場に集めて(集荷)、仲卸業者等を通して小売業者や外食業者に向けて販売します。このため、卸売市場にはさまざまな産地から、多種多様な生鮮食料品等が集まり、これらの商品を迅速に分荷し販売することが可能となっています。

開設者施設の維持・管理及び指導監督
卸売業者生産者又は出荷者から集荷し、これを仲卸業者又は売買参加者にせり売り等により販売する業者
仲卸業者卸売業者が集荷したせり売りに参加し、これを評価、仕分け、調製して買出人に販売する業者
売買参加者開設者の承認を受けた小売商・加工業者
大口需要者等の買出人で、卸売業者からせり売りで買い受ける者
買出人小売商人、加工業者、大口需要者等で主として仲卸業者から品物を購入し、一般消費者に販売する業者
関連事業者市場の機能の充実に役立つ業務あるいは市場利用者にサービスを提供する業務を行う(飲食業、運送業、乾物等販売業者)

地方卸売市場の認定申請

開設する卸売市場について地方卸売市場の認定を受けようとする開設者は、以下の書類を都道府県知事に提出して申請を行います。

  • 認定申請書
  • 業務規定
  • 定款および登記事項証明書(開設者・卸売業者)
  • 役員名簿(開設者・卸売業者)
  • 役員の履歴書(開設者)
  • 卸売業者の戸籍抄本又はこれに代わるもの(卸売業者が個人である場合)
  • 別記様式第七号(都道府県が別に様式を定めた場合は当該様式)の例により作成した直近年度の事業報告書又はこれに準ずるもの(開設者が事業の開始後1年を経過していないものである場合にあっては、申請の日を含む年度の事業計画書)(開設者)
  • 別記様式第二号(都道府県が別に様式を定めた場合は当該様式)の例により作成した直近の事業年度の事業報告書又はこれに準ずるもの(卸売業者が事業の開始後1年を経過していないものである場合にあっては、申請の日を含む事業年度の事業計画書)(卸売業者)
  • 開設者が欠格事由に該当しないことを誓約する書面
  • 卸売市場の施設の配置図
  • 業務規程に掲げる方法が公表されていることを証する書類
  • 相対的遵守事項が定められている場合にあっては次の書類
    • 遵守事項を定めるに当たって取引参加者の意見を聴いたことを証する書類
    • 遵守事項及び当該遵守事項が定められた理由が公表されていることを証する書類
  • 都道府県が別に定める場合にあってはその書類

上記の認定申請書には、以下の事項を記載します。

  • 開設者の名称及び住所並びに代表者の氏名
  • 卸売市場の名称
  • 卸売市場の位置及び施設に関する事項
  • 卸売市場の取扱品目並びに取扱品目ごとの取扱いの数量及び金額に関する事項
  • 卸売市場の業務の運営体制に関する事項
  • 卸売市場の業務の運営に必要な資金の確保に関する事項
  • 卸売市場の卸売業者に関する事項
  • 卸売業者以外の取引参加者その他の関係事業者に関する事項

認定の基準

  • 開設者が欠格事由に該当する者でないこと
  • 申請書及び業務規程の内容が基本方針に照らし適切であること
  • 申請書及び業務規程の内容が法令に違反しないこと
  • 開設者が取引参加者に遵守事項を遵守させるために必要な体制を有すること
  • 卸売市場が生鮮食料品等の円滑な取引を確保するために必要な施設を有すること
  • 開設者が卸売市場の業務の運営に必要な資金を確保することができると見込まれること
  • 卸売市場の全ての取扱品目について卸売業者が存在し、かつ、当該卸売業者が卸売の業務を適確に遂行することができると見込まれること

地方卸売市場の認定を受けるためには、上記の基準をすべてクリアする必要があります。このうち、欠格事由(開設者がいずれかに該当する場合には認定を受けることができない事由)については以下のとおりとなっています。

  • 法人でない者
  • その法人又はその業務を行う役員が御売市場法その他生鮮食料品等の取引に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなった日から2年を経過しないもの
  • 中央御売市場又地方御売市場の認定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない法人
  • 中央御売市場又は地方御売市場の取消しの日前30日以内にその取消しに係る法人の業務を行う役員であった者でその取消しの日から2年を経過しないものがその業務を行う役員となっている法人

業務規程

業務規程とは、卸売市場の業務の方法および取引参加者が当該卸売市場における業務に関し遵守すべき事項、並びにその細則を委ねた規則(品目、数量、金額、割合その他の軽微な事項のみを委ねたものを除く)を定めたルールブックです。

地方卸売市場の認定を受ける際、業務規程は基準への適否を確認する上でも重要な資料とされているため、以下の点について十分に確認し、作成又は変更を検討するようにしてください。

卸売市場の業務の内容

  • 開設者は、当該卸売市場の業務の運営に関し、取引参加者に対して、不当に差別的な取扱いをしないこと
  • 開設者は、当該卸売市場において取り扱う生鮮食料品等について、それぞれ開設者が定める時までに、インターネットの利用その他の適切な方法により、その日の主要な品目の卸売予定数量、並びに卸売の実数量及び価格を公表すること
  • 開設者は、業務規程に定められている遵守事項を取引参加者に遵守させるため、これに必要な限度において、取引参加者に対し、指導及び助言、報告及び検査、是正の求めその他の措置をとることができること

売買取引の方法

業務規程には以下の事項を定め、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならないものとされています。

  • 卸売業者の生鮮食料品等の品目ごとのせり売又は入札の方法、相対による取引の方法その他の売買取引の方法
  • 取引参加者が売買取引を行う場合における支払期日、支払方法その他の決済の方法

絶対的遵守事項

以下はすべての地方御売市場において、絶対的に遵守すべきものとして業務規定に必ず記載すべき事項です。

売買取引の原則取引参加者は、公正かつ効率的に売買取引を行うこと
差別的取扱いの禁止卸売業者は、出荷者又は仲卸業者その他の買受人に対して、不当に差別的な取扱いをしないこと
売買取引の方法卸売業者は、売買取引の方法として業務規程に定められた方法により、卸売をすること
売買取引の条件の公表卸売業者は、営業日、営業時間、取扱品目、生鮮食料品等の引渡しの方法、並びに委託手数料その他の生鮮食料品等の卸売に関し出荷者又は買受人が負担する費用の種類、内容及びその額、生鮮食料品等の卸売に係る販売代金の支払期日及び支払方法(業務規程に定められた決済の方法に則したものに限る)、奨励金等がある場合には、その種類、内容及びその額(その交付の基準を含む)を、インターネットの利用その他の適切な方法により公表すること
決済の確保取引参加者は、売買取引を行う場合における支払期日、支払方法その他の決済の方法として業務規程に定められた方法により決済を行うこと
卸売業者は、事業報告書を作成し、これを開設者に提出するとともに、当該事業報告書(貸借対照表及び損益計算書に限る)について閲覧の申出があった場合には、農林水産省令で定める正当な理由がある場合を除き、インターネットの利用、事務所における備置きその他の適切な方法によりこれを閲覧させること
売買取引の結果等の公表卸売業者は、当該卸売業者の取扱品目に属する生鮮食料品等に関するその日の主要な品目の卸売予定数量、卸売の実数量及び価格、並びにその月の前月の委託手数料の種類ごとの受領額及び奨励金等がある場合にあってはその月の前月の奨励金等の種類ごとの交付額(条件を公表した委託手数料及び奨励金等に係るものに限る)について、それぞれ開設者が定める時までに、インターネットの利用その他の適切な方法により公表すること

相対的遵守事項

上記以外の遵守事項が定められている場合、その遵守事項については、以下の要件に適合させる必要があります。

  • 遵守事項が上記の内容に反するものでないこと
  • 遵守事項が取引参加者の意見を聴いて定められていること
  • 遵守事項及び当該遵守事項が定められた理由が公表されていること

変更の認定

地方卸売市場の認定を受けた後、申請事項又は業務規定の変更をしようとするときは、都道府県から変更の認定を受ける必要があります。

ただし、申請事項又は業務規定の変更が、以下の軽微な変更に該当する場合には認定を受ける必要はありません。この場合において地方卸売市場の開設者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出るものとされています。

  • 開設者の名称及び住所並びに代表者の氏名の変更(開設者の変更を伴うものを除く)
  • 卸売市場の名称の変更
  • 卸売市場の位置及び面積並びに施設に関する事項の変更のうち、次に掲げるもの
    • 卸売市場の面積の変更であって、その面積の10%以内を増減するもの
    • 卸売市場の施設の変更であって、その全ての施設の面積の10%以内を増減するもの
  • 卸売市場の取扱品目ごとの取扱いの数量及び金額に関する事項の変更
  • 卸売市場の業務の運営体制に関する事項の変更(開設者の組織の人員の10%以上を減少するものを除く)
  • 卸売市場の業務の運営に必要な資金の確保に関する事項の変更
  • 卸売市場の卸売業者に関する事項の変更(卸売業者の変更を伴うもの及び卸売市場のいずれかの取扱品目について卸売業者が存在しなくなるものを除く)
  • 卸売業者以外の取引参加者その他の関係事業者に関する事項の変更
  • 業務規程の変更(取引参加者に対する不当な差別的取扱いの禁止、卸売の数量及び価格等、売買取引等の方法、遵守事項に関するものの変更を伴うものを除く)

また、地方卸売市場の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、地方卸売市場の開設者は、その旨を取引参加者に通知するとともに、都道府県知事に届け出なければならないものとされています。

報告及び検査

地方卸売市場の開設者は、毎年、都道府県知事に対し、当該地方卸売市場の運営の状況を報告します。卸売業者は、事業年度ごとに事業報告書を作成し、当該事業年度経過後90日以内(都道府県が別に定める場合にあってはその期限まで)に、開設者に提出しなければならないこととされています。

また、都道府県知事は、御売市場法の施行に必要な限度において、地方卸売市場の開設者に対し、その業務若しくは財産に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に、地方卸売市場の開設者の事務所その他の業務を行う場所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができます。

地方卸売市場運営サポート

弊所は兵庫県大阪府京都府を中心に、年間180件以上ものさまざまな申請に関与しています。対応可能な業務も幅広く、最近は首都圏・四国圏・東海圏・九州圏からも発注があるなど、徐々に対応エリアを拡大しています。

本業務は事案が極めて少なく、対応可能な行政書士を検索することもなかなか難航するのではないかと思います。弊所では地方御売市場の新規認定申請のほか、年度報告や各種届出にも対応しております。まずはどうぞお気軽にご相談ください。

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