特産品焼酎を製造する際の需給調整要件とは│酒造免許解説

焼酎

酒類を製造しようとするときは、酒税法に基づき、製造しようとする酒類の品目ごと、製造場ごとに、その所在地を所轄する税務署長から製造免許を受ける必要があります。

この免許は、法令遵守の状況や経営基盤、製造技術、製造設備、最低製造数量基準(単式蒸留焼酎の場合は年間10kl)などを満たして初めて付与されるもので、決してハードルの低いものではありません。さらに酒税法では、酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持する必要があると認められる場合には、これらの要件を満たしていてもなお製造免許を与えないことができるとされています。

これがいわゆる「需給調整要件」で、新規に免許を付与することによって地域的・全国的な需給バランスが崩れ、酒類の生産・販売の現場に混乱が生じることを防ぐための仕組みです。単式蒸留焼酎(焼酎乙類)についても、この需給調整上の措置が講じられています。

特産品焼酎は需給調整要件が緩和される

もっとも、製造しようとする酒類が、単式蒸留焼酎のうち申請製造場の所在する地域で生産された特産品を主原料として製造するもの(いわゆる「特産品焼酎」)であり、かつ、その特産品としての特性を有すると認められる場合には、需給調整要件が緩和され、申請ごとに個別の内容を検討したうえで免許付与の可否が判断されます。
特産品焼酎に該当するかどうかの判断にあたっては、次のような取扱いがなされています。

製造場の所在する地域原則として当該申請等製造場の所在する市町村(特別区を含む)
特産品地方公共団体による振興計画が策定されているなど、特産品として育成することが確実な産品又は当該産品を主原料とした商品が多数あるなど、当該申請等製造場の所在する地域において認知されている産品
特産品の特性①酒類に、原料として使用した特産品の香味等が反映されていることが明らかなこと
②特産品が水以外の原料の50%以上を占める場合には、特産品の特性を有するものとして取り扱われる
平均課税移出数量が平均小売数量を下回っているかどうかの判定判定基準年度の6月30日現在の数量が基準
原料は需給バランスの確認が必要

特産品のうち、米、麦、さつまいも又はそばを主原料として製造しようとする場合には、上記に加えてもう一段階、都道府県単位での需給バランスの確認が行われます。

具体的には、製造場の所在する都道府県について、判定基準年度の6月30日現在の判定基準年度前3年度における平均課税移出数量(各年度の課税移出数量を合算し3で割った数量)と平均小売数量(各年度の小売数量を合算し3で割った数量)を比較し、平均課税移出数量が平均小売数量を下回っている都道府県に限り、免許が付与されます。
なお、判定基準年度とは免許申請をしようとする日の属する年度を指し、通常は毎年4月1日から翌年3月31日までですが、申請をしようとする日が4月1日から8月31日までの間である場合は、その直前の3月31日までの年度が判定基準年度となります。

各国税局は、毎年この需給バランスの判定結果を公表しており、たとえば令和6年度の公表では、米・麦・さつまいも・そば由来の単式蒸留焼酎について、管内の県ではいずれも令和6年9月1日から令和7年8月31日までの期間、免許付与が可能である旨が示されています。実際に免許を検討する際は、製造場所在地を管轄する国税局が公表する最新の判定結果を必ず確認する必要があります。

需給調整要件をめぐる規制緩和の流れ

需給調整要件は酒税の保全という古くからの政策目的に基づくものですが、規制緩和の観点からも見直しが重ねられてきました。特産品焼酎や地場産米を使用したみりんについての緩和、構造改革特別区域法に基づく果実酒・その他の醸造酒・単式蒸留焼酎などの需給調整要件の不適用措置、さらには日本酒の輸出拡大を後押しする輸出用清酒製造免許(令和3年4月1日から申請受付開始、需給調整要件の適用なし)など、対象を絞った形での緩和が段階的に行われています。

ただし、いずれも限定的な酒類・用途に対する緩和にとどまっており、需給調整要件そのものが撤廃されたわけではない点に注意が必要です。

まとめ

特産品焼酎の免許取得は、通常の酒類製造免許の要件に加えて、地域の特産品を主原料とし、その特性が酒類に明らかに反映されていること、(米・麦・さつまいも・そばの場合)製造場所在の都道府県で需給バランス上の要件を満たしていることの両方を満たす必要があり、判断には専門的な検討が欠かせません。地域の特産品を活かした焼酎づくりをお考えの方は、早い段階で最新の需給バランスの公表状況を確認し、申請の見通しを立てることをおすすめします。

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本記事は国税庁が公表する酒類製造免許関係のQ&A及び各国税局公表資料等をもとに作成しています。実際の免許申請にあたっては、必ず最新の国税庁・所轄国税局の公表情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

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