酒類販売業免許の条件緩和申出とは?8つのパターンと手続きを解説

酒類を販売しようとするときは、酒類販売業免許を取得する必要がありますが、ひとことで酒類販売業と言ってもその区分は様々で、免許区分に基づいた範囲内においてのみ酒類を販売することが認められているに過ぎません。
そのため、すでに酒類販売業免許を取得している事業者が、免許されている範囲外の方法により酒類を販売しようとする場合には、新規免許の取得ではなく「酒類販売業免許の条件緩和申出」という手続きが必要となります。
たとえば、店頭でお酒を売っていた事業者が新たにネット通販を始めたいという場合、多くの方は「新しく免許を取り直すのでは」と考えがちですが、実務上はこの条件緩和申出によって対応することになります。
そこで本稿では、条件緩和申出が必要となる8つの代表的なパターンを整理したうえで、特に問い合わせの多い「一般酒類小売業者が新たに通信販売を始めるケース」を例に、気づかないうちに条件違反となってしまう典型的なケースとその防ぎ方について詳しく解説していきます。
専門家に直接質問したい方や代行について期間と見積りを早く教えてほしい方はこちら↓
めちゃ速い!ほんまに安い!
☎平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!
06-6415-9020 または 090-1911-1497
メールでのお問い合わせはこちら。
条件緩和申出とは
酒類販売業免許には、免許区分ごとに「販売できる酒類の範囲」「販売できる方法(店頭・通信販売等)」「販売できる相手(小売・卸売)」といった条件が付されています。この条件の範囲を超えて事業を拡大しようとする場合に必要になるのが、条件緩和申出の手続きです。
なお、これはあくまでも、すでに免許を取得している販売場(事務所)と同一の場所において新たに事業を始めようとするときに必要となる手続きです。別の場所において新たに事業を始めようとするときは、条件緩和ではなく、移転の手続きや新規免許の申請手続きを行うことになります。
★関連記事
申出を要する8つのパターン

条件緩和申出が必要となる場面はパターンが様々ですが、おもに以下のような場合において必要となります。いずれのパターンも「免許区分そのものを追加する」という点では新規免許の取得と実質的に変わりませんが、審査の一部が簡略化される点に条件緩和申出のメリットがあります。(後述)
| 番号 | パターン | 想定されるケース |
|---|---|---|
| ① | 一般酒類小売業者が新たに通信販売を始めようとするとき | 店頭販売のみの酒屋がECサイトでの販売を開始する |
| ② | 通信販売酒類小売業者が新たに店舗での酒類小売業を始めようとするとき | ネット専業だった事業者が実店舗をオープンする |
| ③ | 小売業者が新たに酒類卸売業を始めようとするとき | 小売店が飲食店等への卸売を新たに始める |
| ④ | 通信販売酒類小売業者が新たに免許範囲外の酒類の通信販売を始めようとするとき | 輸入酒のみだった通信販売に国産酒を追加する |
| ⑤ | 卸売業者が新たに小売業を始めようとするとき | 卸売業者がエンドユーザー向け小売にも進出する |
| ⑥ | 卸売業免許事業者が新たに免許範囲外の酒類の卸売業を始めようとするとき | ビール卸売業者が洋酒卸売にも進出する |
| ⑦ | 特殊酒類小売業者が新たに酒類の卸売業を始めようとするとき | 特殊酒類小売業者が卸売業にも進出する |
| ⑧ | 特殊酒類小売業者が新たに免許範囲外の酒類小売業を始めようとするとき | 特殊酒類小売業者が取扱酒類を追加する |
手続方法
すでに何らかの免許を取得している事業者が対象となるため、条件緩和申出の申請先は、既存の免許先である税務署と同一の税務署になります。基本的な手続きの流れは、条件の緩和を希望する部分の免許を新規申請する際の手続きと同じです。
条件緩和申出書の書式と記載例は以下のとおりであり、一度免許申請を経た免許者にとってそれほど難解な書面ではありません。

一方で、申請書に添付する書類は緩和を希望する内容によって異なりますが、代表的なものは以下のとおりです。
| 緩和の内容 | 必要となる主な添付書類 |
|---|---|
| 新たに通信販売を始めようとするとき | 使用するホームページやカタログ等を確認することができる書類 |
| 新たに店舗での酒類小売業を始めようとするとき | 販売場を管理する酒類販売管理者の選任届出書 |
| 国産酒の通信販売を始めようとするとき | 酒造業者からの年間製造量が3,000kl未満であることの証明書 |
| 輸入酒の通信販売を始めようとするとき | 品目や輸入者に関する書類 |
| 新たに酒類卸売業を始めようとするとき | それぞれの卸売業免許申請に必要となる書類(自己商標卸売業免許の場合はラベル等) |
条件緩和の要件
条件緩和の要件は、緩和を希望する部分の免許を新規で申請する場合の要件と基本的に変わりませんが、新規の免許申請と異なり、直近の決算状況は問われないため、直近の決算が債務超過であっても条件緩和申出自体は問題なく行うことができます。
ただし、「国税や地方税について未納がないこと」、「2年以内に滞納処分を受けたことがないこと」、「2年以上にわたって酒類の販売業を休止していないこと」という要件は満たしている必要があります。
なお、すでに取得している免許申請の際に、少なくとも3万円の登録免許税を支払っていることから、条件緩和申出にあたって改めて登録免許税を納付する必要は、原則としてありません。ただし、新たに酒類卸売業を始めようとするときに限り、6万円の登録免許税を納付する必要があります。
★行政書士実務メモ
直近の決算状況が問われないという点は、新規免許取得との大きな違いであり、既存事業者にとっては条件緩和申出の大きなメリットです。ただし、税金の未納・滞納や長期休業がある場合はこの限りではないため、事前に自社の状況を確認しておくことが大切です。
よくある勘違いと注意点
条件緩和申出のなかでも、特にお問い合わせの多いのが「一般酒類小売業免許(対面販売)を保有する事業者が、同一の場所で新たに通信販売酒類小売業を始めるケース」です。
この組み合わせでは、思い込みによって知らぬ間に条件違反になってしまうケースが多いため注意が必要です。
気づかず全国発送してしまうケース
一般酒類小売業免許の範囲内であっても、同一都道府県内の消費者を対象とした通信販売(オンライン注文・配送)を行うことは可能です。
一方で、楽天やBASEといったECモール等のサービスは初期設定のままでは全国から注文を受け付ける仕様になっていることが多いため、「県内限定で販売するつもりだったが、誤って県外からの注文を受注・発送してしまった」という事態が発生しやすくなります。
店頭の酒をそのままネットに載せるケース
条件緩和申出により通信販売酒類小売業免許を追加できたとしても、そこで扱える酒類は需給調整要件により「輸入酒」又は「年間生産量3,000kl未満の製造者による国産酒」に限定されており、大手メーカーのビールや清酒はこの枠に含まれません。
ここで多いケースが、「店頭で普通に売っている酒だから」という理由で、大手メーカー品をそのままオンラインのカタログやECサイトに載せてしまうケースです。これも通信販売酒類小売業免許の条件(取扱酒類の範囲)に違反した販売であり、店頭で正規に仕入れた商品であることは、免除の理由になりません。
これを防ぐには、システム上で「オンライン販売可」と「店頭限定」を商品ごとに明確にフラグ管理し、通販サイトには需給調整要件を満たす酒類しか登録できない運用にしておくことが実務上の対策になります。
Q. 条件緩和申出と新規免許取得は、どちらが早く手続きできますか?
A. 審査に要する標準的な日数自体に大きな差はありませんが、条件緩和申出では直近の決算状況(債務超過の有無等)が問われないため、財務状況によっては条件緩和申出の方がスムーズに進むケースがあります。
Q. 一般酒類小売業免許のみで、全国の消費者を対象に通信販売はできませんか?
A. できません。一般酒類小売業免許で通信販売が認められるのは、同一都道府県内の消費者を対象とする場合に限られます。2都道府県以上の広範な地域を対象とする場合は、条件緩和申出により通信販売酒類小売業免許を追加する必要があります。
Q. 条件緩和申出をせずに範囲外の販売をしてしまった場合、どうなりますか?
A. 無免許(条件違反)での酒類販売とみなされ、免許の取消しや罰則の対象となる可能性があります。事業を拡大する前に、必ず条件緩和申出の要否を確認してください。
酒類に関する免許取得サポート
弊所は関西圏を中心に、全国各地で年間300件以上の申請に携わっています。酒類関連の手続きは、より難易度の高い製造免許を含めてコンスタントにご依頼をいただいており、対応エリアも着実に広がっています。
さらに、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、迅速かつ格安での対応をお約束します。経験の蓄積とスピード対応により工期を短縮できるため、格安料金での提供が可能になっています。一般酒類小売業免許の申請書類作成でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
酒類に関する手続きのご相談はお気軽に♬
全国各地に対応可能です。
☎平日9時〜18時、📩は24時間365日対応!
06-6415-9020 または 090-1911-1497
メールでのお問い合わせはこちら。

