登録支援機関の登録申請ガイド│要件・必要書類から2027年4月の要件改正までを行政書士が解説

外国人材の生活と仕事を支える相談の場面

令和8年6月末現在、人手不足が深刻な産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人を受け入れる在留資格「特定技能」、そのうち特定技能1号の在留者は42万人を超え、受入れはいまも拡大を続けています。この特定技能1号の外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、外国人が日本で安定して働き、生活できるよう、さまざまな支援を行うことが義務づけられています。

この支援を受入れ企業から委託を受けて担う「登録支援機関」になるには、出入国在留管理庁長官の登録を受けることが必要ですが、令和8年6月末現在、人材紹介会社や行政書士事務所、業界団体、個人など、さまざまな主体が登録を受けており、令和8年6月末現在、全国で1万1,456の機関が登録されています。

一方で、登録支援機関の要件は、令和9年(2027年)4月1日から、支援責任者・支援担当者の常勤化や担当できる外国人の数の上限などが新たに設けられるなど大きく厳格化され、これから登録を目指す方も、すでに登録している方も、改正への備えが求められます。

そこで本稿では、登録支援機関の役割と登録の要件、申請の手続きと必要書類、登録後の義務、そして2027年4月の要件改正までを、行政書士が詳しく解説します。

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登録支援機関とは

特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、外国人が「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるよう、職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成し、これに基づいて支援を行うことを義務づけられています。

受入れ企業は、この支援の全部又は一部の実施を、契約により他の者に委託することができますが、支援計画の全部の実施を委託を受けて行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることにより、「登録支援機関」となることができます。

受入れ企業が支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託した場合、その受入れ企業は外国人を支援する体制を備えているものとみなされるため、自社で多言語対応や面談の体制を整えることが難しい中小企業にとって、登録支援機関は特定技能外国人の受入れに欠かせない存在となっています。

もっとも、委託を受けた支援業務をさらに別の者へ任せる、いわゆる再委託は認められておらず、支援の実施については登録支援機関自身が責任を負う仕組みです。ただし、支援業務の履行を補助する範囲であれば、通訳人などを活用することは差し支えないとされているため、自前で対応できない言語がある場合には、通訳人の手を借りながら支援を行う形も選択肢に入ります。

区分特定技能1号特定技能2号
在留期間3年を超えない範囲で更新、通算で上限5年(相当の理由がある場合は6年)3年、2年、1年又は6か月ごとの更新(更新回数に制限なし)
家族の帯同基本的に認めない要件を満たせば可能(配偶者、子)
支援受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象支援の対象外

義務的支援10項目

登録支援機関は、受入れ企業から委託を受けた支援計画に基づき、次の10項目の支援を行います。これらの支援に要する費用を直接又は間接に外国人に負担させることはできず、事前ガイダンスや相談対応などは、外国人が十分に理解できる言語で行う必要があります。また、登録支援機関には、多言語での対応体制と、3か月に1回以上の面談を確実に実施できる人員体制が求められます。

項目概要
事前ガイダンス在留資格認定証明書交付申請前又は在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明
出入国する際の送迎入国時に空港等と事業所又は住居への送迎、帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行
住居確保・生活に必要な契約支援連帯保証人になる・社宅を提供する等、銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等の案内・各手続の補助
生活オリエンテーション日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明
公的手続等への同行必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助
日本語学習の機会の提供日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等
相談・苦情への対応職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応、内容に応じた必要な助言、指導等
日本人との交流促進自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や参加の補助等
転職支援(人員整理等の場合)受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや推薦状の作成等、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供
定期的な面談・行政機関への通報支援責任者等が外国人及びその上司等と3か月に1回以上面談し、労働基準法違反等があれば通報

登録の要件(登録拒否事由)

登録支援機関の登録は、法人だけでなく個人でも受けることができますが、申請者が次の登録拒否事由のいずれかに該当する場合は、登録を受けることはできません。

  • 関係法律による刑罰に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 心身の故障により支援業務を適正に行うことができない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等
  • 登録支援機関としての登録を取り消された日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む)
  • 登録の申請の日前5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
  • 暴力団員等暴力団排除の観点から定める事由に該当する者
  • 受入れ機関や技能実習制度における実習実施者等であった場合において、過去1年間に自らの責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている者
  • 支援責任者及び支援担当者が選任されていない者(支援責任者と支援担当者との兼任は可)
  • 次のいずれにも該当しない者
    • 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ)の受入れ又は管理を適正に行った実績がある者であること
    • 過去2年間に報酬を得る目的で業として本邦在留外国人に関する各種相談業務に従事した経験を有する者であること
    • 支援責任者及び支援担当者が過去5年間に2年以上中長期在留者(就労資格のみ)の生活相談業務に従事した一定の経験を有する者であること
    • 上記と同程度に支援業務を適正に実施することができる者であること
  • 外国人が十分理解できる言語による情報提供・相談等の支援を実施することができる体制を有していない者
  • 支援業務の実施状況に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備え置かない者
  • 支援責任者又は支援担当者が一定の前科がある等の欠格事由に該当する者
  • 支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させる者
  • 支援委託契約を締結するに当たり、受入れ機関に対し、支援に要する費用の額及び内訳を示さない者
★行政書士実務メモ①

登録の審査で最も重要となる「実績・経験」の要件ですが、申請時には、自らがどの要件に該当するのかを登録支援機関概要書に記載した上で裏付けとなる資料を提出することになります。

具体的には、外国人の受入れ実績で申請する場合は受け入れた中長期在留者のリストを、相談業務の経験で申請する場合は士業者であることを証する書類や在留外国人の相談業務に係る契約書とその報酬を受けたことを証する書類を、支援責任者・支援担当者の生活相談業務の経験で申請する場合は相談対応を行った外国人のリストと従事期間を示す書類を、それぞれそろえて立証する流れです。

いずれの要件で申請するにしても、要件に当てはまることを客観的な資料で示せるかどうかが審査の焦点となるため、立証資料を十分にそろえられるかどうかが、登録の成否を大きく左右するといえます。

登録申請の手続き

申請者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局又は同支局(空港支局及び出張所を除く)に対して、以下の書類を窓口又は郵送で提出することにより申請します。

  1. 登録支援機関登録(更新)申請書
  2. 手数料納付書(28,400円の収入印紙を貼付)
  3. 登記事項証明書、定款又は寄附行為の写し(法人の場合)
  4. 申請者、役員の住民票の写し(支援業務の執行に直接的に関与しない役員については、住民票の写しに代えて「登録支援機関の役員に関する誓約書」でも可)
  5. 賃貸契約書の写し、開業届出書の控えの写しなど、主たる事務所の住所に係る立証資料(申請書の住所と住民票の住所が異なる場合)
  6. 登録支援機関概要書(登録用)
  7. 登録支援機関誓約書
  8. 支援責任者の就任承諾書及び誓約書
  9. 支援責任者の履歴書
  10. 支援担当者の就任承諾書及び誓約書
  11. 支援担当者の履歴書
  12. 支援委託手数料に係る説明書(予定費用)
  13. 実績・経験の要件を証明する書類(次のいずれか)
    • 受け入れた中長期在留者のリスト(監理団体として実習監理を行っている場合は不要)
    • 士業者であることを証する書類、又は在留外国人の各種相談業務に係る契約書及び報酬を受けたことを証する書類
    • 生活相談業務を行った中長期在留者のリスト、及び生活相談業務に従事したこと・その期間を証する書類又は契約書と報酬の受領を証する書類(支援責任者と支援担当者が異なる場合は、それぞれ必要)
    • 上記と同程度に支援業務を適正に実施できることの説明書と、その立証資料
  14. 返信用封筒(結果の通知送付用)

出入国在留管理庁は、これらの書類を「登録支援機関の登録申請に係る提出書類一覧・確認表」にまとめて公表しており、申請書と添付書類は片面印刷としたうえで、この確認表の番号順に並べ、確認表とともに提出することとされています。

原本の提出が求められる書類は発行後3か月以内のものに限られ、審査の過程で資料の追加提出を求められる場合もあるため、申請後も連絡に応じられる体制を整えておくと安心です。

申請先

関西の申請先は下表のとおりですが、いずれも窓口の受付時間は平日午前9時から12時、午後1時から4時です。郵送で申請する場合は、封筒の表面に「登録支援機関申請書在中」と朱書きし、原則として書留等で送付します。なお、オンライン申請には対応していません。

本店又は主たる事務所の所在地申請先所在地電話番号
滋賀県・京都府・大阪府・奈良県・和歌山県大阪出入国在留管理局就労審査第二部門大阪市住之江区南港北1-29-530570-064259(所属部署番号231)
兵庫県大阪出入国在留管理局神戸支局審査部門神戸市中央区海岸通29
神戸地方合同庁舎
078-391-6378

手数料・申請時期・審査期間

登録の申請手数料は28,400円で、手数料納付書に同額の収入印紙を貼付して納付する方法がとられており、申請後に印紙の返還を受けることは認められていません。審査にはおおむね2か月を要することから、出入国在留管理庁は、支援業務を開始する予定日のおおむね2か月前までに申請するよう案内しています。

受入れ企業との支援委託契約の開始時期が決まっている場合は、そこから逆算して申請日を設定し、書類の不備による補正の期間も見込んで、余裕をもって準備を進めることが大切です。

審査結果

審査の結果、登録拒否事由に該当しないと認められた場合は、登録支援機関登録簿に登載された上で登録支援機関登録通知書が交付され、その日から5年間が登録の有効期間となります。登載された機関の情報は出入国在留管理庁のホームページにも掲載されるため、受入れ企業が委託先を探す際には、この一覧が判断材料の一つとして活用されています。

反対に、審査で登録拒否事由に該当すると認められた場合には、登録拒否通知書が交付され、登録を受けることはできないため、申請前の段階で要件を一つずつ確認しておくことが重要です。

登録後の義務

登録支援機関には、登録後も出入国在留管理庁長官への各種の届出などが義務づけられており、これらを怠ると指導や登録の取消しの対象となります。

随時の届出

登録の申請書に記載した事項に変更が生じたときは、出入国在留管理庁長官への変更の届出が求められます。同様に、支援業務を休止したときや廃止したときも、その旨を届け出ることが義務づけられており、廃止の届出があった時点で登録そのものが効力を失う仕組みです。

これらの届出を怠った場合は、登録の取消し事由にも該当するため、事務所の移転や業務内容の見直しを行う際には、届出の要否をあわせて確認しておくことが大切です。

定期の届出

特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況について、対象年の4月1日から翌年3月31日までの状況を、翌年4月1日から5月31日までに届け出ます。受入れ企業が支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託している場合は、受入れ企業と登録支援機関が連名で届出を行います。

特異事案報告

登録支援機関には、届出とは別に、支援計画の実施が困難となったときや、支援の全部委託を受けた受入れ企業が基準に適合していないことを把握した場合などに、出入国在留管理庁長官へ報告を行うことが求められています。

たとえば、受入れ企業が外国人に約束どおりの報酬を支払っていない事実を面談で知った場合などがこれにあたり、報告を怠ることは指導や登録の取消しの対象にもなり得ます。支援の現場で問題を把握したときに、誰がどの時点で報告するのかを、あらかじめ社内で決めておくことが重要です。

登録の取消し

出入国在留管理庁長官は、登録支援機関が登録拒否事由に該当するに至ったとき、届出義務に違反したとき、委託を受けた支援を実施していないとき、不正の手段により登録を受けたときなどには、登録を取り消すことができます。取り消された場合、取消しの日から5年間は、再び登録を受けることができません。

登録の更新

登録の有効期間は5年間で、引き続き支援業務を行う場合は更新申請が必要です。出入国在留管理庁は、登録の有効期間満了日の6か月前の月の初日から、4か月前の月の月末までに更新申請を行うよう案内しています。更新の申請手数料は11,100円です。

たとえば、有効期間満了日が令和9年5月1日の場合は、令和8年11月1日から令和9年1月31日までに申請します。満了日が属する月の3か月前の月末を過ぎて申請すると、有効期間内に更新が認められず、手数料の返還も受けられないため、出入国在留管理庁は新規の登録申請を行うことを強く推奨しています。登録の有効期間の満了日までに更新を受けられない場合、受入れ企業から委託を受けていても、支援業務を行うことはできません。

対象となる機関には、登録の有効期限の7か月前頃に、登録簿に記載された住所宛てにお知らせのはがきが送付されますが、届かなかったとしても期限は変わらないため、自ら期限を管理しておくことが大切です。

2027年4月1日からの要件改正

1号特定技能外国人に対する支援を一層適正に行うことができるよう、入管法施行規則と特定技能基準省令が改正され、令和9年(2027年)4月1日から施行されます。支援体制に関する主な改正点は次のとおりです。

  1. 支援責任者及び支援担当者を、支援業務を行う事務所ごとに、それぞれ常勤の役員又は職員の中から1名以上選任する(支援責任者が支援担当者を兼務することは可)
  2. 支援業務に従事することができる者を、支援責任者等に限定する
  3. 支援責任者に対して、支援能力向上のための養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務付ける
  4. 支援担当者の数が、支援業務の委託を受けている受入れ企業の数を10で割った数を超え、かつ、支援を行っている1号特定技能外国人の数を50で割った数を超えていること(支援責任者が支援担当者を兼務することは可)

第4号により、支援責任者等1人当たりで、委託元の受入れ企業は10機関未満、支援する外国人は50人未満が上限となります。たとえば、受入れ企業25機関から委託を受ける場合は3人の支援責任者等が、外国人120人を支援する場合は3人の支援責任者等が必要です。

養成講習の取扱い

養成講習は、法務大臣が告示した養成講習機関が実施する講習で、支援責任者は3年ごとに修了する必要があります。ただし、経過措置により、令和9年4月1日以降も、当分の間は修了の義務は課されないこととされており、終了時期は改めて告知される予定です。なお、支援担当者は法令上の義務はありませんが、修了が推奨されています。

経過措置

施行日(令和9年4月1日)前に登録の申請をした場合は、施行日前の要件に基づいて登録の可否が判断されます。ただし、その後に更新申請をする際は、施行日後の要件を満たしていなければ更新を受けることはできません。

また、すでに登録を受けている機関で、令和9年7月31日までに登録の期間が満了するものは、施行日前に更新の申請をしたときに限り、施行日前の要件に基づいて更新を受けることができます。

★行政書士実務メモ②

施行日前に申請すれば現行の要件で登録を受けることができますが、5年後の更新では、すでに登録している方も含め、非常勤の支援責任者や名義だけの支援担当者による体制は認められなくなるため、次回の更新までに、事務所ごとの常勤の支援責任者等の配置と、委託元の数・外国人の数に見合った人員を確保することが求められます。

Q. 個人でも登録支援機関になれますか?
A. なれます。登録拒否事由に該当しなければ、法人のみならず個人であっても登録が認められます。ただし、外国人の受入れ実績や相談業務の経験などの要件を満たし、立証資料を提出する必要があります。


Q. 申請から登録までどのくらいかかりますか?
A. 審査におおむね2か月を要するため、支援業務を開始する予定日のおおむね2か月前までに申請するよう案内されています。


Q. 支援にかかった費用を外国人本人に負担させることはできますか?
A. できません。支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させる者は、登録拒否事由に該当します。


Q. 委託を受けた支援業務を、別の会社に任せることはできますか?
A. 認められていません。登録支援機関が委託を受けた支援業務を、さらに別の会社に委託することは禁止されています。ただし、支援業務の履行を補助する範囲で、通訳人などを活用することは可能です。


Q. 2027年4月より前に登録すれば、新しい要件を満たさなくてもよいのですか?
A. 施行日前に申請した場合は、現行の要件で登録の可否が判断されます。ただし、5年後の更新申請の際は、新しい要件を満たしていなければ更新を受けることはできません。

登録支援機関登録申請サポート

登録支援機関の登録申請は、申請書そのものよりも、実績・経験の要件をどの書類で立証するかが最大のポイントです。また、登録後も、毎年の定期届出や変更届出、5年ごとの更新、そして2027年4月からの新しい体制要件への対応と、継続的な手続きが求められます。

弊所では、登録支援機関の新規登録申請をはじめ、更新申請、変更届出や支援業務の休廃止の届出、受入れ企業と連名で行う定期届出の作成まで、登録支援機関の運営に関わる手続きをサポートしています。実績要件の立証資料の整理や、2027年4月の改正を見据えた支援体制の確認についても、事業の状況に合わせて対応します。これから登録支援機関を立ち上げたい方、更新や改正への対応にお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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