風俗営業における無人営業の可否について

無人ゲームセンターのイメージ

近年、コスト削減や省人化を目的とした「無人ゲームセンター」や「セルフ雀荘」といった形態が注目を集めています。

小売店や飲食店における無人化・効率化は、現代のニーズに即した画期的なビジネスモデルとなり得ますが、これが「風俗営業」(ポーカー、麻雀、ゲームセンター等)の領域となると、話は根底から変わります。

これらの施設は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)においていずれも「風俗営業」に位置づけられており、都道府県公安委員会の許可なく営業することは厳に禁じられています。また、許可の有無にかかわらず、ひとたび風俗営業の実態を備えれば法規制の射程からは逃れられません。

最新の法令と警察当局の運用基準に基づけば、風俗営業における無人営業は、「法的に成立し得ない、極めて危うい営業形態」であると断じざるを得ないのです。

管理者の常駐義務という壁

風営法第24条は、営業所ごとに「管理者」の選任を義務付けていますが、本質はその名目ではなく「実態」にあります。

警察庁の「解釈運用基準(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準 :792KB)」では、管理者は「営業所に常駐し、直接業務を統括管理すること」と明記されています。管理者の職務は、18歳未満の立ち入り監視、射幸心の抑制、客の迷惑行為の防止など、現場における公序良俗の維持そのものです。

「無人」を前提とした営業形態は、この行政上の大前提を真っ向から否定するものであり、法的には「管理義務の放棄」すなわち管理者の選任義務違反と同義とみなされます。

また、スマートロックや高性能カメラによる「遠隔管理」を盾に適法性を主張する業者も存在しますが、最新の運用基準においても、「カメラ越しの監視」が「実地での常駐」の代替として認められることはありません。

不測の事態や不正行為が発生した際、その場で即座に物理的な是正措置を講じることができない状態は、管理者が配置されているとは言えません。たとえ許可業者であっても、意図的に管理者が不在になる時間帯を作ることは、営業停止処分や許可取り消しの対象となりえます。

遊技設備が営業の実態を証明する

レンタルスペース等で「うちは場所を貸しているだけでスタッフはいない」という抗弁は、ポーカーテーブルや全自動雀卓という「遊技設備」が設置された瞬間に無力化します。

これらを「業として(対価を得て)」提供する以上、それは紛れもなく風俗営業であり、「許可を受けた営業所」で「管理者が目を光らせている」ことが、営業継続の絶対条件となります。

警察当局のスタンスは一貫しており、「不測の事態や不正行為が発生した際、その場で即座に物理的な是正措置を講じることができない状態は、管理者が配置されているとは言えない」というのが実務上の回答です。

また、「ゲームセンターならスタッフがいなくてもいいのではないか」という誤解がありますが、これも間違いです。ゲームセンター等の営業所においても、営業中は管理者の常駐が必要です。昨今、ショッピングセンターの片隅にある「無人ゲームコーナー」が許容されているのは、施設全体の管理者が存在する場合や、極めて限定的な構造条件を満たしている場合に限られます。独立した店舗として、ポーカーテーブルやアーケードゲーム機を設置し、管理者が不在のまま営業することは、営業停止処分や許可取り消しに繋がる致命的な違反です。

マージャン屋(4号営業)については、さらに注意が必要です。「仲間内だけの貸卓(セット)専門だから、鍵を渡してセルフで遊ばせても良い」という理屈は、風営実務では通用しません。

麻雀は、ゲームセンター等営業にある「屋外設置」などの一部の除外規定すら存在しない、極めて射幸性の高い遊技として扱われます。業として雀卓を貸し出す以上、1卓のみの運営であっても管理者の常駐は必須であり、「管理者が不在になる時間帯がある」こと自体が、法的には無許可営業と同等のリスクを孕(はら)んだ重過失となります。

合理的な理由(トイレ、短時間の休憩、資材の搬入等)による一時的な不在であれば、直ちに「管理者不在」とされることはありませんが、その間も「速やかに戻れる状態」であることが前提です。

5号営業(ゲームセンター等営業)施行規則第8条に規定される遊技機を設置して客に遊技させる営業
4号営業(マージャン屋)雀卓を備えて客に遊技させる営業
緩和措置と変わらない壁

令和に入り、管理者の選任基準は一部緩和されました。例えば、同一階にある隣接した店舗など、「一人の管理者が複数の店舗を物理的に管理できる」と認められる場合は兼任が可能になりました。

ただし、この緩和の条件も「直ちに現場に駆けつけ、適切な措置を講じることができること」が絶対条件です。「無人」や「遠隔」はこの条件をクリアできないため、緩和の対象外となります。

解釈運用基準をさらにこねくり回せば、「管理者が営業所の至近距離に待機している」あるいは「兼任が認められる別営業所に管理者が常駐している」といった条件下において、形式上の「無人運営」が成立する余地を模索することは理論上不可能ではありません。

しかし、風営法が管理者に求める本質的な役割が「現場における遊技状況の常時把握」と「不正・年少者立ち入りの即時阻止」にある以上、物理的な不在を前提としたスキームで警察当局に対し真正面から抗弁することには、実務家としてためらいを覚えます。

聞きかじった断片的な情報や、ネット上の根拠なき「合法説」を鵜呑みにし、安易に自己判断を下すことは極めて危険です。取り返しのつかない事態に陥る前に、まずは風営法に精通した行政書士等の専門家へ相談し、適法かつ持続可能なビジネスモデルを検討されることを強くお勧めいたします。

風俗営業許可申請サポート

風俗営業は法令や条例の規制をダイレクトに被る営業形態です。規制は各市区町村条例に及んでいることも多いため、市区町村によっては都道府県条例よりもさらに厳しい条例(いわゆる上乗せ条例)が施行されている地域も存在します。

このように想定外の落とし穴にはまってしまうこともあるため、風俗営業の見切り発車は非常にリスクの大きい行為です。知人の風俗営業者が色々と入れ知恵してくれたとしても、それがその時期その地域その営業形態にすべて合致する正しい情報とは限りません。いずれにせよ風俗営業をはじめようとする際は、所轄の警察署や風営法に精通した行政書士に相談することを強くお薦めします。

弊所では、全国各地において、風俗営業許可申請の代行を承っています。事前調査、書類作成、関係各所とのやり取り及び書類提出に至るまで、まるっとフルサポートさせていただいています。また、弊所は「話しの分かる行政書士事務所」として、さまざまな事情をくんだ上での柔軟な対応を心がけています。風俗営業許可を取得する際は、どうぞ弊所まで安心してご相談ください。

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