東京都におけるJKビジネス(特定異性接客営業)に対する規制内容と必要となる届出について

東京都では、いわゆる「JKビジネス」を「特定異性接客営業」とする特定異性接客営業等の規制に関する条例(以下、条例)を定め、これらに該当する営業について、届出制を採用するなどして規制を行っています。
条例では青少年を18歳未満の者と定め、青少年が売春等の犯罪に巻き込まれることの無いよう必要な規制が設けられています。
そこで本稿では、これから都内において特定異性接客営業を始めようとする皆さまに向けて、その規制内容と必要となる手続きについて詳しく解説していきたいと思います。
目 次
特定異性接客営業
条例では、以下の例1〜5までの営業を典型的な例とし、これらの営業であって①又は②のいずれかに該当し、かつ、青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがあるものを特定異性接客営業としています。
| ① | 青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、若しくは連想させるものとして東京都公安委員会規則で定める文字等の情報を営業所の名称、広告若しくは宣伝に用いるもの |
| ② | 青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、若しくは連想させるものとして東京都公安委員会規則で定める衣服を客に接する業務に従事する者が着用するもの |

例1.リフレ

マッサージ、耳かき、ひざ枕等の態様を問わず、異性の客に対して体を接触させたり、従業員の体を触れさせる営業を一般的に「リフレ」と呼んでいます。
例2.見学、撮影

読んで字のごとく、客に対して異性の従業員の容姿を見せたり撮影させるサービスがこれに当たります。
例3.コミュ

「コミュ」は「コミュニケーション」の略称であり、異性の客に対し、会話やゲーム等によるコミュニケーションを提供するサービスをがこれに当たります。
例4.カフェ

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業であって、従業員が異性の客に接する営業がこれに当たります。
例5.散歩

散歩に限らず、従業員が異性の客と同伴(デート)するサービスがこれに当たります。
明示又は連想
条例では、青少年が客に接する業務に従事していることを明示し若しくは連想させる営業であることを特定異性接客営業の該当要件のひとつとしています。
具体的に東京都公安委員会規則では、青少年を連想させる文字、数字その他の記号として以下の単語を列挙しています。

また、青少年を連想させる映像、写真、絵として「生徒制服、体操着又はこれらを着用する人の姿態を表すもの」を、青少年を連想させる衣服として「生徒制服又は体操着」をそれぞれ指定しており、これらの文字、数字その他の記号、映像、写真若しくは絵を営業所の名称や広告宣伝に用いるものや、生徒制服等を従業員に着用させるものについては、実際に青少年が客に接する業務に従事していないものであっても、特定異性接客営業の対象としています。
青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがあるもの
最後に「青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがあるもの」という該当要件ですが、これは相当広い意味で解釈されています。
たとえば上記で例示されていない文言であっても、青少年と結びつけることにより「性的好奇心をそそるおそれがあるもの」と判断できる余地があればすべて対象となるものと考えられます。
店舗型特定異性接客営業・無店舗型特定異性接客営業
店舗を設け、その店舗において専ら上記例1〜5のサービスを提供する営業が店舗型特定異性接客営業、客の依頼を受けてこれらのサービスを行う従業員を派遣することにより営むものを無店舗型特定異性接客営業と言います。
両者はどちらも特定異性接客営業ですが、届出の方法や規制の内容について若干の違いがあります。
特定異性接客営業に該当しないもの
特定異性接客営業の該当要件を満たす営業であっても、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に規定する風俗営業、店舗型性風俗特殊営業又は特定遊興飲食店営業に該当するものは特定異性接客営業に該当しません。
これらの営業は、風営法により条例よりも厳しく規制されているため、特定異性接客営業に関する条例の規定は適用されません。
なお、そもそもこれらの営業については、青少年をその業務に従事させることができません。
店舗型特定異性接客営業の届出
東京都の区域内において営業所を設けて店舗型特定異性接客営業を営もうとする者は、営業を開始しようとする日の10日前までに、店舗型特定異性接客営業の種別に応じて、営業所ごとに、営業所の所在地を管轄する警察署に対して以下の書類を提出することにより東京都公安委員会に届出を行う必要があります。
- 店舗型特定異性接客営業開始届出書
- 営業所の平面図
- 営業所の周囲の略図
- 住民票の写し(届出者、法人役員、統括管理者)
- 定款及び登記事項証明書(法人)
- 賃貸借契約書、使用承諾書又は建物登記事項証明書等営業所の使用について権原を有することを疎明する書類
この届出をした者は、青少年がその届出に係る営業所又は受付所に立ち入ってはならない旨(下図)を営業所又は受付所の入口に表示する必要があります。(縦20cm、横40cm)

無店舗型特定異性接客営業の届出
東京都の区域内において事務所若しくは受付所を設けて、又は東京都の区域内及び区域外に事務所及び受付所を設けないで東京都の区域内に住所を有して無店舗型特定異性接客営業を営もうとする者は、営業を開始しようとする日の10日前までに、無店舗型特定異性接客営業の種別に応じて、東京都の区域内における主たる事務所の所在地を管轄する警察署に対して以下の書類を提出することにより東京都公安委員会に届出を行う必要があります。
- 無店舗型特定異性接客営業開始届出書
- 事務所の平面図
- 住所のうち営業の用に供される部分を特定したもの(事務所のない者がその住所を事務所に代えて届出書を提出する場合)
- 受付所の平面図及び受付所の周囲の略図(受付所を設ける場合)
- 待機所の平面図(待機所を設ける場合)
- 住民票の写し(届出者、法人役員)
- 定款及び登記事項証明書(法人)
- 賃貸借契約書、使用承諾書又は建物登記事項証明書等事務所、受付所及び待機所の使用について権原を有することを疎明する書類
なお、東京都の区域内に受付所のみを設ける場合はその受付所、東京都の区域内にも区域外にも事務所や受付所を設けない場合であって東京都の区域内に住所を有するときはその住所を管轄する警察署に対して書類を提出します。
また、東京都の区域内に受付所を設けて営む無店舗型特定異性接客営業者は、青少年がその受付所に立ち入ってはならない旨を受付所の入口に表示する必要があります。
廃止・変更の届出
特定異性接客営業(店舗型特定異性接客営業又は無店舗型特定異性接客営業)の営業開始届をした者は、届出に係る特定異性接客営業を廃止したとき、又は届出事項に変更があったときは、その日から起算して10日以内に、廃止又は変更に係る事項を、所轄警察署を経由して公安委員会に届け出る必要があります。
なお、営業の種別又は店舗型特定異性接客営業の営業所の所在地を変更しようとするときは変更届ではなく、新たに営業開始の届出を行う必要があります。
営業所等の設置禁止区域
条例では、都市計画法上の「用途地域」を基準として特定異性接客営業の場所的規制を行っています。用途地域とは、住居、商業、工業など市街地における用途の混在を防ぐことを目的として各自治体が設定する地域区分ですが、東京都内であって以下の用途地域内において特定異性接客営業の営業所又は受付所を設置することは認められていません。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域内
これを逆に解釈すれば、特定異性接客営業の営業所又は受付所を設置することが認められている地域は、繁華街や工業地域を想定する以下の用途地域内に限定されることになります。
- 商業地域
- 近隣商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
- 無指定地域
ただし、上記の用途地域内であっても、東京都の区域内にある以下の施設の敷地及びこれらの用に供するものと決定した土地の周囲200mの区域内においては特定異性接客営業の営業所又は受付所を設置することはできません。
- 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)
- 児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設
- 図書館法第2条第1項に規定する図書館
- 医療法第1条の5第1項に規定する病院及び同条第2項に規定する患者を入院させるための施設を有する診療所(有床診療所)
なお、無店舗型特定異性接客営業の事務所についてこれらの規定は適用されていないため、都内において受付所を設けない無店舗型特定異性接客営業者であれば場所的規制を受けることなく営業を行うことができます。
時折「この場所で営業はできますか?」という内容のお問い合わせをいただくこともありますが、気軽に回答することができる事項ではなく、責任や作業負担も大きいため、手続きの代行までをサポートする場合を除き、無料相談の内容には含めていません。
特定異性接客営業者の禁止行為
店舗型特定異性接客営業者は、青少年を客に接する業務に従事させること及び青少年を営業所に客として立ち入らせることが禁止されています。
また、無店舗型特定異性接客営業者は、青少年を客に接する業務に従事させること、青少年を受付所に客として立ち入らせること(受付所を設けて営む場合)及び青少年を客とすることが禁止されています。
広告及び宣伝の規制
何人も(いかなる人も)、営業所等設置禁止区域内においては、特定異性接客営業に係る広告物を表示し、又は特定異性接客営業に係る広告若しくは宣伝の用に供される文書、図画その他の物品を配布することを禁止されています。
また、特定異性接客営業者は、その営業について広告又は宣伝をするときは、青少年がその営業所又は受付所に立ち入ってはならない旨(無店舗型特定異性接客営業者にあっては、客となってはならない旨)を明らかにする必要があります。
★広告物
広告物とは、常時又は一定の期間継続して公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいいます。
勧誘行為等の禁止
何人も、特定異性接客営業に関し、以下の行為を行うことを禁止されています。
- 青少年に対して客となるように勧誘すること
- 青少年に対して客に接する業務に従事するよう勧誘すること
- 青少年に対して広告文書等を配布すること
- 客となるよう青少年に勧誘させること
- 客に接する業務に従事するよう青少年に勧誘させること
- 広告文書等を青少年に配布させること
従業員名簿
特定異性接客営業者は、営業所、事務所又は受付所を設けた場所(事務所及び受付所がない無店舗型特定異性接客営業者にあっては住所)ごとに従業員名簿を備え、これにその営業に係る業務に従事する者の住所、氏名、性別、生年月日、採用年月日、従事する業務の内容並びに退職(死亡を含む)の年月日及びその事由を記載し、従業員が退職した日から3年間備え付ける義務があります。
ただし、営業所、事務所又は受付所を設けた場所ごとに、労働基準法第107条に規定する労働者名簿を備え付けている場合は、これを従業員名簿に代えることができます。
罰則
条例には以下の罰則が設けられています。条例とはいえ違反者には最高で1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されることもあるので違反のないようご留意ください。
また、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、これらの違反行為をしたときは、その行為者が罰せられるほか、その法人又は人に対し、該当する罰金刑が科されます。(両罰規定)
| 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 公安委員会からの営業停止命令に違反した者 |
| 6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 営業所等設置禁止区域の規定に違反した者 |
| 店舗型特定異性接客営業において青少年を客に接する業務に従事させ、又は青少年を営業所に客として立ち入らせた店舗型特定異性接客営業者 | |
| 無店舗型特定異性接客営業において青少年を客に接する業務に従事させ、又は青少年を受付所に客として立ち入らせた無店舗型特定異性接客営業者 | |
| 警察官による中止命令に違反した者 | |
| 30万円以下の罰金 | 店舗型特定異性接客営業又は無店舗型特定異性接客営業の届出をせず、又は虚偽の届出をした者 |
| 青少年に対して客となるように勧誘し、又は客に接する業務に従事するよう勧誘した者 | |
| 客となるよう青少年に勧誘させ、又は客に接する業務に従事するよう青少年に勧誘させた者 | |
| 20万円以下の罰金 | 特定異性接客営業を廃止し又は届出事項に変更があった日から起算して10日以内に廃止又は変更に係る事項の届出をせず、又は虚偽の届出をした者 |
| 公安委員会が貼り付けた標章を破壊し若しくは汚損し、又は警察官の中止命令の期間を経過する前にこれを取り除いた者 | |
| 従業員名簿を備えず、又はこれに必要な記載をせず、若しくは虚偽の記載をした者 | |
| 公安委員会から求められた報告若しくは資料の提出を拒み、若しくは報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は警察職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 |
なお、店舗型特定異性接客営業において青少年を客に接する業務に従事させ若しくは青少年を営業所に客として立ち入らせた店舗型特定異性接客営業者、無店舗型特定異性接客営業において青少年を客に接する業務に従事させ若しくは青少年を受付所に客として立ち入らせた無店舗型特定異性接客営業者又は勧誘行為等の禁止行為をした者は、青少年の年齢を知らないことに過失がないときを除き、青少年の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることができません。
JKビジネスに係る届出サポート
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